PCB エディタ

PCB エディタは、printed circuit board を製造するために必要な出力ファイルを生成するのと同様に、PCB デザインを作成、編集、確認できます。ここでは、PCB 設計のレイアウトを手助けする PCB エディタの編集機能を紹介します。　

エディタ環境

PCB エディタがアクティブな時（例えば、PCBドキュメント (*.PcbDoc) が開いていてアクティブな時）、メインアプリケーション画面には以下が含まれています:

• 設計するためのメインデザインウィンドウ - 2D、3D モードの表示が可能。ボードデザインのために多くの機能がある 2D モードは、2D モデル領域で利用できます。プロジェクトの表示設定は "view configuration" として保存でき、何度も使用できます。　
• エディタ固有のメニューとツールバー
• ワークスペースパネル - 全般とエディタ固有
  オブジェクトの配置、配線、グラフィカル編集は、開いた PCB ドキュメント（メインデザインウィンドウにタブ付きのドキュメント画面として表示されます）で行います。　
  

実際の設計（配置、編集、配線、デザインルールチェック等）に関するメインデザインウィンドウの使用方法については、このトピックには含まれません。このような情報については relevant documentation を参照してください。しかし、以下の項目には一般的なメインデザインワークスペースに関する情報があります。　

ボードオプションの指定

PCB ドキュメントのオプションは、Design » Board Options を選択してアクセスできる Board Options ダイアログで定義します。　

このダイアログでは、単位、ボードを配置する（バック）シートの表示や位置を指定する様々なグリッドシステムを定義するためにコントロールできます。　
注意 : 多くのダイアログには、左上に単位を切り換える機能 があります。これは、現在、ダイアログで使用している単位（ミリとインチ [ショートカット: CTRL + Q ]）を変更します。現在の単位は、ダイアログのタイトル領域に表示されます。単位の切り換えは、システムの精度に影響を及ぼしません。また、Preferences ダイアログ ( DXP » Preferences ) では、メートル単位系の小数点以下の3桁から5桁までの丸め込みに関する画面の精度をコントロールできます。
PCB ドキュメントのレイヤスタックを定義するには、Design » Layer Stack Manager を選択します。Layer Stack Manager ダイアログが表示されます。 　

表示設定

PCB エディタでは、2D、または 3D モードの PCB モデルを表示でき、View Configurations ダイアログで、レイヤ、表面、3D 色、視覚的なその他の項目を含む定義が可能です。2D、または 3D 画面設定を保存し、何度も使用できます。View Configurations ダイアログを表示するには、　Design » Board Layers & Colors [ショートカット: L] を選択します。

2D モードは、コンポーネントの配置、配線、接続のような通常の PCB 設計ルーチンを考慮した複数レイヤ環境です。3D モードは、3D モデル（3D モードでは、2D モードで利用できる全ての編集機能までは利用できません）として内部、外部両方のデザインを検証するために役立ちます。File » Switch To 3D、または File » Switch To 2D [ショートカット: 2 (2D), 3 (3D)] を使用して 2D と 3D モードを切り換えできます。　
注意 : View Configurations ダイアログを介して編集した 2D レイヤとシステムカラーはシステムベースです。つまり、Preferences ダイアログを介して編集するのと同様に、全ての PCB ドキュメントに適用されます。　
各場合に、各オプションについて詳細な情報を得るには、ダイアログの 'What's This Help' 機能を使用します。ダイアログ右上にある ? ボタンをクリックし、項目をクリックします。　

ワークスペース プリファレンスの指定

全ての PCB ドキュメントへ適用できる通常のワークスペース プリファレンスは、Preferences ダイアログの PCB Editor 内のページで定義します。このダイアログの PCB Editor - General ページを表示するために、Tools » Preferences を選択します。　

各ページで利用できるオプションの詳細な情報を得るには、ダイアログの 'What's This Help' 機能を使用します。　

右クリックメニュー

メインデザインウィンドウで右クリックすると、カーソル下のオブジェクトについてのコンテキストが表示されるのと同様に、ドキュメントオプションやワークスペース プリファレンスのような [ポップアップ] メニューが表示されます。　

パン

ワークスペースのパンは以下の方法で実行できます:

• 縦横のスクロールバーを使用　
• キーボードの矢印キーを使用（早く移動するには SHIFT キーを同時押し）　
• 上/下に移動するにはマウスホイールを使用、左/右に移動するには SHIFT + マウスホイールを使用　
• どんな方向にもパンするにはマウスの右ドラッグ

ズーム

ワークスペースのズームは以下の方法で実行できます:

• CTRL + マウスの右ドラッグ、または CTRL + マウスホイール、または PAGE UP / PAGE DOWN キー　　
• PAGE UP（ズームイン）や PAGE DOWN（ズームアウト）キーを使用（SHIFT や CTRL キー同時押しで細かくズームしたり粗くズームできます）　
• マウスホイールを使用（マウスホイールボタンを押してマウスを移動）　

回転（3D モード）　

3D 回転モードにするには SHIFT を押します。カーソル位置に方向性がある球体が表示されます。モデルの回転移動は以下のコントロールを使用します:

• どんな方向にも回転するには、中央のドット を指定してから球体を右ドラッグ　
• Y軸に対して回転するには、左右の 矢印 を指定してから球体を右ドラッグ　 　
• X軸に対して回転するには、上下の 矢印 を指定してから球体を右ドラッグ　
• Y-平面で回転するには、円のセグメント を指定してから球体を右ドラッグ　
  注意 : Altium Designer は、3D マウスや 3D スペースナビゲーション デバイスをサポートします。これらのデバイスは、3D ナビゲーションを改善できます。　

選択したオブジェクトの集まりを移動

PCBドキュメント上で、CTRL キーと矢印キー（上下、または左右）、 CTRL と SHIFT キーと矢印キーの組み合わせを使用して、またはマウスを使用して、選択したオブジェクトを移動できます。　
選択したオブジェクトを移動するためにキーボードを使用している時、その距離は Board Options ダイアログ（Design » Board Options、またはショートカット D, O）の Snap Grid 設定に従って設定されます。Snap Grid X（水平）や Y（垂直）の値を変更するにはこのダイアログを使用します。また、この Grid 値は Altium Designer のステータスバーに表示されます。スナップグリッド設定値を切り換えるには、ショートカット G を使用します。また、View » Grids サブメニュー、または右クリックメニューの Snap Grid を使用できます。　

• 選択したオブジェクトは、CTRL キーを押しながら矢印キーを押して細かく（現在のスナップグリッド値に従って）'移動' できます。　
• 選択したオブジェクトは、CTRL と SHIFT キーを一緒に押しながら矢印キーを押して粗く（スナップグリッド値の10の倍数で）'移動' できます。　

選択したコンポーネントの集まりを連続して移動　

選択した順番で選択したコンポーネントの集まりを連続して移動できます。SHIFT + クリックを使用して1つずつ移動したいコンポーネントを選択する必要があります。　
コンポーネントを選択したら、Tools » Component Placement » Reposition Selected Components コマンドを選択します。最初に選択したコンポーネントがカーソルに付いた状態で十字で表示されます。新しい位置（通常のカーソルスナップ移動やマウスの移動が利用できます）でクリックしてコンポーネントを配置します。　
コンポーネント配置を終了しても、選択したコンポーネントはセレクトしたままになります。コンポーネント配置モードを解除するには、ワークスペースのどこかでクリックします。　

現在のレイヤの変更

トラック、フィル、テキスト、1つのレイヤのパッドのようなデザインオブジェクトは、現在のレイヤに配置されます。コンポーネント、マルチレイヤパッド、ビアのようなデザインブジェクトは、現在のレイヤに関係無く配置できます。セレクション（移動、削除等のための）はレイヤから独立しており、現在のレイヤを変更しないで実行できます。
メインデザインウィンドウの下部に、ワークスペースでの表示を有効にした（View Configurations ダイアログから）各レイヤのタブがあります。　

現在、選択したレイヤ名は容易に確認できるよう明確に表示されます。タブをクリックしてレイヤがアクティブになります。あるいは、ワークスペースで有効なレイヤを切り換えるには、10キーの + や - キーを使用します。10キーの * キーを押して信号層を切り換えます。レイヤタブは以下のように使用します:

• クリックは、レイヤを選択
• CTRL + Click は、レイヤを選択しハイライト表示　
• CTRL + ALT + カーソルを置くことは、レイヤを選択しハイライト表示　
• CTRL + SHIFT + クリックは、レイヤを選択しハイライトを切り換え　
• レイヤ表示を含むレイヤに関連したコマンドを利用するには、タブで右クリックします。　
  各レイヤへ割り当てた色は、各レイヤタブの左に示された色で表示されます。　
  

セレクションメモリ

セレクションメモリ機能は、デザインのオブジェクトをセレクトし、保存してどんな時でも再呼び込みできます。Selection Memory ダイアログを介して直接、オブジェクトを再選択できます。セレクションは PCB ドキュメントと一緒に保存されます。
Selection Memory ダイアログを表示するには、メインデザインウィンドウの右下の ボタンをクリックします。このダイアログでは、セレクションメモリ機能をコントロールできます。　

マスクレベル コントロール

マスクハイライト方法を一時的、または恒久的にフィルタとして使用する時（例えば、PCB Filter パネルからクエリを適用している時、PCB パネルを使用してデザインオブジェクトを閲覧している時、または配線している時）、マスクレベルを調整するためのポップアップを表示するには、メインデザインウィンドウの右下の Mask Level ボタンをクリックします。マスク、dim は、Preferences ダイアログの PCB Editor - Display ページの Highlighting Options 設定で決まります。
Mask が有効である時、フィルタ表示されたオブジェクトはデザインエディタウィンドウに表示されます（他のオブジェクトはモノクロ表示）。Masked Objects Factor スライドコントロールは、フィルタ表示されないオブジェクトを暗く表示するレベルを決めます。Background Objects Factor スライドコントロールは、フィルタ表示されないオブジェクトの表示レベルを決めます。　
Dim を有効にする時、フィルタ表示されたオブジェクトはデザインエディタウィンドウに表示されます（他のオブジェクトの色はそのままですが暗く表示）。フィルタ表示とフィルタ表示しないオブジェクト間のコントラストを設定するための2つのコントロールがあります。Masked Objects Factor スライドコントロールは、フィルタ表示されないオブジェクトを暗く表示するレベルを決めます。Highlight Objects Factor は、フィルタ表示されたオブジェクトのハイライトをどれぐらい白色で表示するかを決めます。 　

フィルタのクリア

PCB ドキュメントに適用したフィルタをクリアするには、メインデザインウィンドウの右下にある Clear ボタンをクリック、または SHIFT + C のショートカットを使用します。一時的にフィルタ表示している場合、それをクリアするにはメインデザインウィンドウ内のどこかをクリックします。恒久的にフィルタ表示している場合、Clear ボタン、またはフィルタ表示を行ったダイアログ、パネルにある Clear ボタンを使用する必要があります。

TrueType フォントのサポート

PCB エディタでは、デザインのテキストオブジェクト（ストリング、座標、寸法線テキスト）で Stroke ベース、または TrueType フォントを利用できます。フォントの選択は、オブジェクトの属性ダイアログ内で行います。　
3つの Stroke ベースのフォント（Default、Sans Serif、Serif）を利用できます。Default は、ペンプロットやベクターフォトプロットをサポートするベクターフォントです。Sans Serif と Serif フォントはより複雑で、ガーバーのようなベクター出力を生成するのに時間がかかります。Stroke ベースのフォントはソフトウェアへ構築され変更できません。3つのフォントは、英語と他のヨーロッパ言語をサポートする IBM の拡張された ASCII 文字を持っています。TrueType フォントを使用している時、\Windows\Fonts フォルダにある TrueType と OpenType フォント（TrueType のスーパーセット）を利用できます。また、その機能は Unicode をサポートします。
デザインを保存している時や、デザインをロードしている時に代用のフォントを適用するために、　Preferences ダイアログの PCB Editor - TrueType Fonts ページでは、埋め込み TrueType フォントを設定できます。　

デザインをロードする（例えば、製造メーカーで）ターゲットコンピュータ上で利用できる（または、利用できない）かもしれないフォントで表示するためにテキストが必要な時、埋め込みフォントは特に役に立ちます。　
TrueType フォントが埋め込まれていないデザインをロードして、1つ、または複数のフォントをデザインで使用している時（ソースコンピュータで利用できるが、現在、デザインをロードしているコンピュータで利用できない）、フォントの代用のために TrueType フォントを指定できます。デフォルトで Arial 代用に使用します。　

パネル

以下のワークスペースパネルは PCB エディタ用です。　

• PCB
• PCB Filter
• PCB Inspector
• 3D Visualization
• Board Insight
• PCB List
  しかし、あるワークスペースパネルは PCB エディタ用ではなく、設計する時に繰り返し使用します。これらは Projects panel や Messages パネルを含みます。　

  特定のパネルの詳細な情報については、カーソルをパネル上に置いてから F1 を押してください。全てのワークスペースパネルのリストについては、Altium Designer Panels Reference を参照してください。

デザインオブジェクト

以下は、PCB デザインで利用できる様々なオブジェクトのリストです。メインデザインウィンドウのデザインオブジェクト上にカーソルを置いて F1 を押すことで、直接、そのオブジェクトの情報を表示できます。　

デザインルール

PCB エディタはルールで実行する環境です。そのエディタで作業して設計変更（トラックの配置、コンポーネントの移動、自動配線）を実行する時、エディタは各動作を監視し、そのデザインが定義したデザインルールに従っているか確認します。　
デザインルールは、PCB エディタの指令を形成します。各ルールはデザインの必要条件を表します。そして、Online Design Rule Checker (DRC) で作業する時、例えば clearance や width 制約は監視できます。ソフトウェアの追加機能を使用している時、あるルールは監視されます。例えば、デザインを配線するために Situs オートルータを使用している時の配線ベースのルール、またはシグナルインテグリティ解析を実行している時、Signal Integrity Analyzer で使用するシグナルインテグリティベースのルールです。 　
PCB エディタは、必要に応じてデザインルールを定義できる場所からインターフェースを提供します。ルールは、次の10種類のカテゴリに分類されます: Electrical; Placement; Routing; Manufacturing; SMT; Plane; Mask; Test Point; High Speed; Signal Integrity。PCB Rules and Constraints Editor ダイアログを表示するには、メインメニューから Design » Rules を選択します。そこから、必要に応じてデザインのルール制約を指定できます。 　

ボードで作業し始める前にデザインルールを設定することで、設計作業に集中できます。デザインルールを適切に定義して、デザインの必要条件を満たすボードデザインを完了できます。PCB エディタではルールをエクスポート、インポートできます（デザインルール設定を保存、再利用できます）。　

Re-entrant Editing

PCBエディタでは、現在、実行している操作を終了しないで2番目の操作を実行できる機能があります。この機能は re-entrant 編集として知られています。　
re-entrant 編集はより柔軟に直感的に作業できます。例えば、トラックを配置し始めてから他のトラックセグメントを削除する必要があると気づきます。Interactive Routing モードから抜ける必要はありません。E , D ショートカットキーを押してトラックセグメントを削除します。それから、ESC キーを押してデザインの配線に戻ります。　
注意 : 2番目の操作は、そのショートカットキーを使用する時のみアクセスできます。　
現在のプロセスが完了する前に実行できる他のプロセスの回数は、ソフトウェアに残っている完了していないプロセスに依存します。　
パネルやツールバーの整列は設定できます。作業環境を設定したら、View » Desktop Layouts » Save Layout コマンドを使用して保存できます。