ボードデザイン リリースプロセス

Parent article: Vault によるエレクトロニクス設計

Altium の設計データ管理システムには、設計領域から製造領域までデータを渡すことができる、合理化、自動化されデータ出力を生成する高度な機能があります。 

このシステムの鍵となる要素はボードデザイン リリースプロセスです。このプロセスは自動で、手動のリリース手順に関連した危険が無く、設計プロジェクト、またはプロジェクトのコンフィギュレーションをリリースできます。特定のプロジェクトのコンフィギュレーションをリリースする時、デザインソースのスナップショットは生成された出力と一緒に作成され保管されます。リリースデータは、ターゲットの Altium Vault で特定の Item のレビジョンとして保存されます。その Item は vault 内の実体です。コンフィギュレーションをマップして、サプライチェーンによって '実行される' 物理的なオブジェクトを表します。 

このアーティクルでは、ボードデザインのリリースのためにシステムを準備する方法、リリースを開始する方法、生成したリリースデータを '得る' 方法を説明します。チュートリアルのようですがそこまで厳密ではありません。システムの '練習' として考えてください。システムの鍵となる要素の概要と、それを定義する方法を確認できます。 

厳密には事前に必要でありませんが、アーティクル Vault によるエレクトロニクス設計(システムの鍵となる概念や用語だけでなく、従来のボードデザインリリース方法に加えてそれを使用する利点の情報を提供します)をざっと読むための良い考えかもしれません。

始める前に、Add Your Project to the Design Repository の項目で記述したように、Design Repository でフォルダを作成しようとしている場合、TortoiseSVN、または類似の Subversion ブラウザインターフェースをインストールする必要があります。もし、Tortoise をインストールしない場合、続けることはできますが Design Repository にサブフォルダを作成できません(その項目のステップ1、4、5で概説した通り)。TortoiseSVN は http://tortoisesvn.net/downloads からダウンロードできます。

設計プロジェクト - 最初の準備

最初の作業は、設計プロジェクトがバージョンコントロール リポジトリ、または Design Repository に追加されているか確認することです。もちろん、バージョンコントロール下に無い設計プロジェクトをリリ-スできます。しかし、バージョンコントロールで管理された Design Repository を使用して、異なる場所にいるチームのメンバー間で同じデザインを安全に共同で作業でき、デザインのレビジョンを失わない保証があります。バージョンコントロール システムの本質は、デザインを評価した軌跡をたどれることです。誰が何を、どのソースドキュメントを、いつ変更したか不明確な点を確認できます。 

もし、プロジェクトがバージョンコントロール下である場合、システムはリリースする前にチェックインして最新にするファイルを要求します。これは、主要な設計ドキュメントをエンジニアのハードドライブへ保存する(失う可能性がある)"個人的なコピー" を許可しないようにできます。このルールにより、リリースされた製品を生成するために使用された正しい設計ドキュメントを、コストをかけて検索する必要は無く軌跡の時間を節約できます。

新しい Design Repository の作成

Altium Designer は、サービスプロバイダの Subversion (SVN)、または Concurrent Versions System (CVS) を使用してバージョンコントロールで管理された Design Repository をサポートします。Subversion 機能は Altium Designer に内蔵されています。新しいフォルダベースの SVN Design Repository を素早く作成するには以下の方法を実行します:

  1. Preferences ダイアログを開きます
     
  2. Data Management – Version Control ページで、バージョンコントロール プロバイダ SVN - Subversion が有効、デフォルトで built-in Subversion が有効であることを確認します。 
     
  3. Data Management – Design Repositories ページで Create New ボタンをクリックしてドロップダウンメニューから SVN を選択します。Create SVN Design Repository ダイアログでリポジトリの名称と場所を指定します。もし、現在、存在しないフォルダを指定する場合、自動で作成されます。 

SVN Design Repository を新たに作成し、Main Design Repository として Altium Designer 内で表示された例。

この方法でリポジトリを作成することで、システムでそのリポジトリを登録しています。また、非公式、または 'rogue' リポジトリへのパスは指定できません。Altium Designer を通して、システムに接続した VCS ベースの Design Repository と相互に作用できるだけです。

プロジェクトを Design Repository へ追加

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主要なリポジトリ(作成した Design Repository)で、設計プロジェクトと dependency(例えば、デバイスシート、ハーネス定義ファイル、アノテーションファイル)を vault へ追加する必要があります。これは、Altium Designer 内から(Storage Manager panel、または Projects panel から)、または外部のリポジトリ内からバージョンコントロールコマンドを使用して実行できます。

これを確認するために PB02 のサンプルプロジェクトを追加します:

  1. \Examples\Reference Designs\Peripheral Boards\PB02 Mass Storage\PB02.PrjPcb のサンプルプロジェクトを開きます
     
  2. Projects パネルのプロジェクトで右クリックし、Version Control»Add Project Folder To Version Control を選択します 
     
  3. Add to Version Control ダイアログが表示され、接続、有効にされた Design Repository のドロップダウンリストがあります。作成したリポジトリ Main Design Repository を選択します。もし、異なるリポジトリを接続、または新しいリポジトリを作成する必要がある場合、Preferences ダイアログの Data Management – Design Repositories ページへ素早くアクセスするには右の ボタンをクリックします。選択した Design Repository 内のフォルダ階層は、ダイアログの Folders 領域に表示されます。設計ファイルを追加する既存フォルダを指定、または New Folder ボタンを使用して新しいフォルダを作成します。後者の場合、フォルダは、リポジトリのフォルダ階層内の指定した場所にプロジェクト名で追加されます。  
     

    プロジェクトを保存するためにリポジトリ内でフォルダを指定。


     

  4. ターゲットフォルダを指定して OK をクリックします。Add to Version Control ダイアログが表示されます。リポジトリへ追加するファイルを選択し OK をクリックします。Projects パネルにあるプロジェクトとファイルが Scheduled for addition になり、青色の十字アイコン () で表示されます。 
     

    プロジェクトファイルは Design Repository へコミットされる状態です。 


     

  5. Projects パネルにあるプロジェクトを右クリックし、Version Control»Commit Whole Project を選択します。Commit to Version Control ダイアログが表示されます。Design Repository へコミットしたいファイルを選択し、OK をクリックします。一度、追加されたら、 Projects パネルでリポジトリのファイルとローカル作業のコピーが同期されます。   
     

    作成した Design Repository へ追加したプロジェクトの例。この場合、PB02 のサンプルデザイン。

Altium Vault へ接続

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Design Repository へ追加したプロジェクトを、Altium Vault へ接続して利用できます。Altium Vault は集中化された保存システムで、そこに各ターゲット Item のリリースデータを保存できます。vault で各 Item は一連のレビジョンとして保存されます。各レビジョンは、リリース時に生成された資料を含みます(特定の Item を構築する必要がある詳細な手順を含みます)。特定の Item のために新しい設計データのリリースが必要である度に、その Item の新しいレビジョンが vault に作成されます。生成されたデータを受け入れる(保存する)準備ができました。 

Altium Vault へ接続するには:

  1. Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページで、Add Vault ボタンをクリックします。Connect To Vault ダイアログが表示されます。Vault Server Address の項目で接続したい vault の URL を入力します。Local Area Network にインストールされている Vault は、Find Vaults on LAN リンクをクリックして素早く見つけることができます。vault サーバのアドレスと同様に、ユーザ名とパスワードを入力する必要があります。これらは、その vault へアクセスする権利があることを確実にするために、authentication サーバ(Identity Service を提供)によってチェックされます。標準の AltiumLive クレデンシャルが既に入力されており、それが使用されます。代替のクレデンシャルを使用して vault へアクセスしたい場合、Use Alternative Credentials オプションを有効にし、クレデンシャルを入力してそれを行うことができます。  
     
  2. Test Connection ボタンを使用して、追加する前に接続が成功したかどうかテストできます。接続が成功したら OK をクリックします。Altium Designer から vault へ接続しアクセス権を得ます。ログイン情報は適切であると認証されます。Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページにリスト表示されます。vault はデフォルトで有効になります。使用する準備ができました。  

Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページにリスト表示された vault の名称は、最初に vault によって提供されます。この名称は、vault の項目で右クリックしメニューから Edit Vault Properties を選択して変更できます。そのダイアログで、必要に応じて名称を変更します。 

接続された Altium Vault の例(Altium Designer 内で Company Vault として表示)。

素早く AltiumLive エコシステムの一部である vault へ接続を追加して、アクセス認証を指定したい場合、Add Content Services ボタンをクリックしてそれを行うことができます。Available Vault Services ダイアログが表示されます。ダイアログには、AltiumLive 内で実行している vault が表示されます。これらの vault へ接続するには、vault アイコンの下にある Click to Connect オプションを有効にします(Connect に変更されます)。OK をクリックすると、Data Management – Vaults ページのリストにその vault が追加されます。

構造定義と Item の作成

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データを含める予定の内部構造や様々な Item のために、Altium Vault の接続を定義する必要があります。ボードデザインのリリースに関して、これらは最終的に製造するブランクボードや実装ボードを表す Item になります。Vaults パネルを通して vault と相互作用します。これは、接続したvaultを閲覧、管理できるシステムパネル(メインデザインウィンドウの右下にある System ボタンからアクセス)です。 

ボードのコンフィギュレーションを定義する時(どの Item へコンフィギュレーションをマップするか選択している時)に vault でフォルダや/または Item を作成できます。

Vaults パネルを通して Altium Vault と相互に作用。そのパネルでは vault や内部にある Item の構造を定義できます。

パネルの Vault Folders 領域で、Item をまとめる一連のフォルダやサブフォルダを定義するには、右クリックメニューのコマンドを使用します。Item自体は、パネルの Items の項目で右クリックし表示されたメニューで Create Item を使用して作成されます。 

vault 内で新しい Item を作成する前に、Item を作成できる場所へフォルダを作成する必要があります。そのため、少なくとも1つのフォルダを vault で定義しておく必要があります。

PB02 のデザインプロジェクトについて、2つの Item(1つはブランクボードを表し、1つは実装ボードを表します)を作成します。フォルダ構造を定義します:

  1. Vaults パネルの Vault Folders 領域内で右クリックします。トップレベルのカテゴリを定義するために、Add Top Level Folder » altium-production-release-zone コマンドを選択します。Add Top Level Folder ダイアログが表示されるので、カテゴリの名称を入力します。このフォルダはリリースする全てのボードデザインのデータを含めるので、Production と呼ぶます。 
     
  2. 構造の深さを追加するには、既存フォルダで右クリックし Add Subfolder » generic-folder コマンドを選択します。Add Subfolder For FolderName ダイアログを使用して、新しいフォルダの名称(保存する Item に関連する用語)を定義します。それを Peripheral Boards と呼びます。 
  3. 異なるペリフェラルボードデザインからデータをリリースしたい時、ペリフェラルボードごとに個別のフォルダを作成することは良い考えです。そのため、PB02 - Mass Storage と言うサブフォルダを追加します。
     
  4. 各製品が少なくとも1つの製造 bare ボード Item や実装ボード Item から成る時、これらのタイプのボードのために更にサブフォルダを作成するのは良い考えです。それは、Item を作成する場所の最低レベルのフォルダになります。Blank BoardsAssembled Boards と言う更なるサブフォルダをそれぞれ追加します。
     

    vault 内で定義したフォルダ。vault 内で content のトップレベル 'zones' の概念を使用して、コンポーネント管理、デザイン content 管理、量産リリースデータ
    を分割した領域として定義できます。

必要に応じて、vault 内でフォルダを作成すると、vault で Item を作成できます。Item を作成するには、Item を保存したいフォルダをクリックします。パネルの Items の項目で右クリックし Create Item コマンドを選択します。サブメニューでは、データ content のタイプに基づいた特定のタイプの Item を選択できます。Create Item ダイアログが表示され、Item を定義できます。

Create Item ダイアログを使用して Item を作成、定義。

この段階の Item のキー属性は Item ID(Item の固有の ID) です。この ID を通して、設計側のプロジェクトのコンフィギュレーションは Altium Vault のターゲット Item へマップできます。その ID 自体は、確立された命名規則に従ったコードです。例えば、D-810-XXXX は 製造 Blank ボード Item を反映するために Altium で使用されます。また、D-820-XXXX は実装ボード Item を反映します。その Item ID は Item を作成後、変更できません。 

PB02 デザインの 2 つの Item を作成します:

  1. Vaults パネルで Blank Boards フォルダをクリックします。そして、Items の項目で右クリックし Create Item » altium-pcb-blank を選択します。Item ID に D-810-2000 と入力します。必要に応じて、Revision Naming SchemeLifecycle Definition を変更します。例えば、Revision Scheme を 3-Level Revision Scheme に、Lifecycle Definition を Structure Lifecycle With Approvals に変更します。description - Blank Board for the PB02 を追加します。その他の項目はデフォルト設定のままにします。
     
  2. Assembled Boards フォルダをクリックします。そして、Items の項目で右クリックし Create Item » altium-pcb-assembly を選択します。上記プロセスを繰り返します。この時、D-820-2001 の Item ID と Assembled Board for the PB02 の description を入力します。 

Planned 段階(リリースデータを保存する準備ができています)の初期レビジョンで、vault に Item を作成しました!

データを受け入れるために最初の planned レビジョンで作成、定義した Item。

PCB プロジェクト設定と出力ジョブ ファイル 

Design Repository のプロジェクトでリリース管理システムを準備しようと思いますが、これを行う前にデザインのデータが、作成したい items を製造するために必要な出力へマップする方法を理解することが重要です。これは、PCB Project Configuration と言う概念を通して管理されます。 

PCB Project Configuration、または Configuration は、作成したい Item へ設計領域のデータをマップするために使用されます。これらの Item は Item ID で独自に識別され、各 Item は製品レベルの部品表(例えば、bare ボード、実装、異なる実装バリアント)にあるものと一致します。それぞれは異なる Item で固有の Item ID を持つ例です。  

PCB Configuration は、特定の Item を作成する必要があるファイルへ設計領域のデータをマップする設計図として役立ちます。

Configuration により、プロジェクトのソースデータを各固有の Item を作成するために必要な出力へ変換することで設計図を定義できます。そのため、各プロジェクトには一般的に少なくとも 2 つのコンフィギュレーション(bare ボードと実装ボード)があります。異なる実装バリアントにはそれぞれコンフィギュレーションがあるので、固有の Item へマップします。

コンフィギュレーションを使用する時、プロジェクトで出力ジョブ ファイルを管理する方法を変更する必要があります。出力ジョブ ファイルには、1 つの *.OutJob ファイルで定義した作成したい 全て の出力を含めるかもしれません。リリース管理システムのために、実装、bare ボード出力を少なくとも 2 つ(またはそれ以上)の出力ジョブ ファイル(完了した商品のタイプ(bare ボード、または実装ボードかどうか)へ特定の出力のみ含まれている各ファイルと共に)へ分割します。また、リリース管理システムはリリースプロセスの一部としてデザインの確認をサポートするので、リリースフローを実行中に、デザインで実行したい確認を定義する出力ジョブ ファイルを少なくとも 1 つ利用することを推奨します。 

出力ジョブ ファイルの定義

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PB02 のサンプルデザインプロジェクトには 1 つの出力ジョブ ファイル (PB02_Panel.OutJob) があります。以下の 3 つの異なる出力ジョブ ファイルを定義します:

  • Assembly.OutJob – 実装ベースの出力を作成 
  • Fabrication.OutJob – 製造ベースの出力を作成 
  • Validation.OutJob – ERC、DRC、相違レポートを生成するために使用

これらの新しい名称のいずれかで既存ファイルを保存します。それから、2 つの出力ジョブ ファイルをプロジェクトへ追加します。必要に応じて出力ジェネレーターが定義されると、Design Repository のマスターファイルに戻ってローカル作業フォルダから変更をコミットすることを確認します!

リリースプロセス中に実行される確認レポートを含む分割された出力ジョブ ファイル。

出力場所の指定

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出力ジョブ ファイルで定義した出力は、配布されているメディアのタイプに依存して、様々なタイプの出力コンテナへ配布できます。PDF を作成、ファイルを生成、ビデオを生成している時、これらのコンテナで生成された出力を保存する場所をコントロールできます。 

PDF 出力コンテナ用に出力場所をコントロール。

設計データ管理システムによって出力コンテナのベースパスをコントロールするには、ベースパスが [Release Managed] に設定されていることを確認します。これは、特にリリースプロセスの一部として確認レポート生成を使用したい場合、必要です。

PCB プロジェクトコンフィギュレーションの定義

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今、次のような点までの準備ができています。バージョンコントロールで管理された Design Repository が含まれている PB02 デザインプロジェクトがあります。Altium Vault で定義したターゲット Item があります。設計プロジェクトをそれらの Item へマップする方法が必要です。1 つの設計プロジェクトを複数の量産 Item(作成、販売される実体のある製品)のソースにでき、PCB プロジェクトはパラメータであることを思い出してください。形式的なコンフィギュレーション構造で、ソース PCB プロジェクトから vault のこれらの Item へマップするために、Altium Designer は PCB Project Configurations の概念を使用します。 

コンフィギュレーションは、実際の設計プロジェクトの一部で、設計分野から製造分野へリンクさせます。各コンフィギュレーションは市場で構築したい Item を表し、Item を構築するためにサプライチェーンによって必要なデータを定義します。設計プロジェクトをリリースする時、そのプロジェクトのコンフィギュレーションをリリースしています。生成された 'リリースデータ' は、そのコンフィギュレーションの一部として指定されたターゲット Item のレビジョンに保存されます。 

PCB プロジェクトのためのコンフィギュレーションの定義と管理は、Configuration Manager ダイアログ (Project»Configuration Manager) 内から実行します。初めは、2 つのデフォルトのコンフィギュレーション(下図のように 1 つはブランクボード用、もう 1 つは実装用)があります。  

PB02 サンプルデザインでの Configuration Manager の最初の画面。

重要なものから順に、ターゲット Altium Vault を指定する必要があります。リリースデータは vault に保存でき、複数の vault を定義した場合、正しいvaultを参照するデザインを確認する必要があります。Altium Vault を選択するには、ダイアログの右上のドロップダウンを使用します。この例で、Altium Designer で表示される vault の名称は Company Vault になります。特定の vault に指定した名称を選択します。 

vault へ接続しなかった、または異なる vault へ接続する必要がある場合、 ボタンをクリックして Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページへアクセスします。必要に応じて、そこから vault への接続を管理できます。

必要な vault をターゲット。

プロジェクトのために必要なコンフィギュレーションを定義する必要があります。そして、vault へマップする予定のターゲット Item を指定します。Configuration Manager ダイアログは、左側に configurations を、右側にターゲット Item へのマップを分類して表示します。各固有のコンフィギュレーションは、ターゲット vault の固有の Item へマップする必要があります。2 つのコンフィギュレーション(Blank Board Item を作成するためのデータを生成するために使用するものと、Assembled Board Item を作成するためのデータを生成するために使用するもの)が必要です。 

ブランクボードのために必要なコンフィギュレーションを考えます:

  1. 左側 (Configuration) で、既存のデフォルトのコンフィギュレーションを Blank Board へ名称変更します。そして、Ignore Variants オプションを有効のままにします。ブランクボード コンフィギュレーションについて、FabricationValidation Output Job ファイルを割り当てる必要があります。それらに関連するチェックボックスにチェックを入れます。  
     

    製造された bare ボードを構築するためのデータを生成する必要があるコンフィギュレーション。


     

  2. 右側(ターゲット Item)で、リリース時にコンフィギュレーションから生成されたデータを使用して "構築" する予定の Item を指定する必要があります。その項目の右にある ボタンをクリックします。Choose Item ダイアログが表示されます。このダイアログではターゲット vault の画面が表示され、コンフィギュレーションをマップしたい特定の Item へ定義したフォルダ構造を確認できます。Production » Peripheral Boards » PB02 - Mass Storage » Blank Boards フォルダで Item D-810-2000 を選択します。vault に Item を作成していない場合、このダイアログで作成できます。 
     

    vault で定義したブランクボード Item (D-810-2000) へ Blank Board コンフィギュレーションをマップ。


     

  3. コンフィギュレーションをリリースするために、リリースデータを保存する予定の Item のレビジョンは Planned 段階である必要があります。それは、リリースデータを保存する準備ができている必要があります。planned レビジョンを選択するには、Target Planned Revision for Next Release の項目に関連したドロップダウンリストを使用します。Item に 1 つの planned レビジョンのみがある時、自動で 01.A.1 が選択されます。 

実装ボードのために、コンフィギュレーション(とマップする Item)を定義する必要があります:

  1. 左側 (Configuration) で、コンフィギュレーションを Assembled Board に名称変更し、Ignore Variants オプションは有効のままにします。そのため、デザインの全てのコンポーネントを使用します。このコンフィギュレーションのために出力ジョブ ファイルに関して、AssemblyValidation ファイルを割り当てる必要があります。そのため、それらに関連するチェックボックスにチェックを入れます。 
     
  2. 右側 (Target Item) で、コンフィギュレーションをマップするためにターゲット Item と、リリースのために使用する Item の planned レビジョンを指定する以前のプロセスを繰り返します。D-820-2001 の Item を指定します。レビジョンの項目には、自動で最初の planned レビジョン 01.A.1 が表示されます。 

PB02 デザインプロジェクトの 2 つのコンフィギュレーションは定義され、vault に作成した固有の Item の planned レビジョンへマップされます。  

定義した PB02 デザインのコンフィギュレーション!

PCB Release 画面(最終的なリリースプロセス自体)へ進む前に行う最後の 1 つは、ローカルの変更を Design Repository へ保存してコミットすることです。この重要性はストレスになりません。これは、リリースする前に、最新でチェックインするためにシステムが全てのファイルを要求するためです。もちろん、どんな段階でも同期でき、PCB Release 画面はそれについて追跡しますが、それを行う時に変更をコミットする習慣を持つのは良いことです。 

デザインのコンフィギュレーションをリリース。

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PCB Release 画面(View»PCB Release View)は Altium Designer の PCB Process Manager(ボードデザイン リリースプロセスを実行するために使用した)へのグラフィカルインターフェースです。そして、2 つのモード: Design ModeRelease Mode で操作する 'Dashboard' を表します。  

PB02 デザインプロジェクトで表示される最初の PCB Release 画面。 

その画面には、プロジェクト (PB02) のための 1 つのタブと、そのプロジェクト(Blank BoardAssembled Board)のために定義したコンフィギュレーションの 2 つのサブタブが表示されます。Assembled Board コンフィギュレーションのリリースを確認してみます。このコンフィギュレーションをアクティブにするため、そのタブをクリックします。  

既に Design Repository でローカルで作業したプロジェクトのコピーと同期し、Assembled Board コンフィギュレーションがマップする(Item の特定の planned レビジョンを含む)予定の vault でターゲット Item を指定しました。Design Mode の最初の PCB Release 画面では、Design Repository 領域でプロジェクトをバージョンコントロールと同期し、Vault 領域でアクティブなコンフィギュレーションで参照した Item のレビジョンをリリースする準備ができています。'緑色の状態' でリリースする準備ができています。   

Design Repository と Vault 側の両方が緑色で進行できる状態!

各コンフィギュレーションは関連した Process Flow があります。このフローはボードデザイン リリースプロセス(Design Repository からデザインを入手し、選択したコンフィギュレーションを処理します。そして、指定した vault で参照した Item(とレビジョン)へ生成されたリリースデータをコミットします)を表します。  

Design Mode が有効で 2、3 番目のフロー(Validate DesignGenerate Outputs)だけがアクティブであることに注意してください。これらの 2 つの段階はフローの '内容' で、ボードデザイン リリースプロセスを成功させるために重要です。これらの段階のどちらかが失敗した場合、リリースは失敗します。そのため、Design Mode 内でこれらの段階へアクセスすることでリリース前のチェックができます。  

Validate Design 段階はオプションのリリースプロセスです。それは、リリースされているコンフィギュレーションへ割り当てられた出力ジョブ ファイルの一部として確認のための出力を定義した場合のみ含まれます。

Design Mode 中、確認と出力生成の段階を試して実行するオプション(ERC、DRC のようなチェックで合格するための最後のチェックで、ここで生成されたファイルは設計した通り構築した Item を入手すべきファイルです)があります!
  1. フローの Generate Outputs をクリックします。これにより、Validate Design と Generate Outputs が実行されます。出力が実行され生成が完了すると、各出力の Status の項目の状態は反映されます。
     
  2. どんな失敗が起こってもソースデザインドキュメントへ戻り、それに応じて問題の原因を修正します。

PB02 デザインについて、両方の段階が緑色に変わります。全ての出力が生成されます(validations は Passed に、他の出力は Up To Date になります)。Release Mode でフローを実行している時、これらの段階が成功するよう保証されます。 

成功した Design Mode での試行!

次に、リリースを実行します。 

  1. PCB Release 画面の中央の Release Mode をクリックします。他のプロジェクトとコンフィギュレーションは無効(暗く表示)で、選択したデザインプロジェクトのコンフィギュレーションのみが有効になっています。この時、別のコンフィギュレーションを選択したりこのモードで他のプロジェクトへジャンプできません。全ての注意点は、選択したコンフィギュレーションのリリースで修正されます。
     

    Release Mode で、選択したコンフィギュレーションのみが相互に利用できます。


     

  2. PB02 デザインプロジェクトの Assembled Board コンフィギュレーションをリリースするには、Commit Release ボタンをクリックします。 
     

    'ボタンのクリック' でリリースを開始します。

プロセスフローの各段階は順番に実行されます。デザインソースのスナップショットが作成、確認され、コンフィギュレーションへ割り当てられた出力ジョブ ファイルで定義した出力が生成されます。それから、スナップショットと同様に生成されたデータはターゲット vault へコミットされます。コミットで、vault のターゲット Item で指定したレビジョンに保存されているデータをリスト化して、Release Summary ダイアログに表示されます。 

PB02 デザインの Assembled Board コンフィギュレーションのリリース!

プロセスは自動化されているので、手動リリースプロセスに関連したエラーの危険はありません。製造へ送られたデータは、設計した通り、製品を製造できるものである必要があります。 

PB02 デザインプロジェクトをバージョンコントロールで管理された Design Repository に保存する時、リリースプロセス中、Altium Designer はバージョンコントロールリポジトリのアドレスとプロジェクトのレビジョンを記録します。そして、ターゲット vault へこの情報をコミットします。この方法は、将来的にどんな段階でも、バージョンコントロールからデザインプロジェクトの全てのファイルの同じスナップショットを取り戻すことが可能なことを意味します。

リリースしたデータのアクセス

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リリースしたら、Vaults パネル内から特定の Item Revision のために生成したデータをプレビューできます。Preview タブでは、ボードを物理的に製造するために使用する、リリースしたドキュメント、リリースを生成するために使用したデザインプロジェクトのスナップショット、生成された Bill of Materials (BOM) をリスト化して表示します。  

Vaults パネルで、vault にある新しくリリースされたレビジョンのターゲット Item のために生成されたデータをプレビュー。

同じ親 Item の 2 つのレビジョンを比較するのと同様に、右クリックメニューを使用して素早くダウンロード、またはデータを配布できます。 

Item のライフサイクルは Item 画面に表示されます。この画面は以下の方法でアクアスします:

  • Vaults パネルの Item の項目で右クリックし、メニューから Full Item Details を選択します。 
  • Item のための Item 画面を表示するには、PCB Release 画面の Vault の項目 (Revision <Revision ID> of <Item ID>) のヘッダテキストをクリックします。

ターゲットの実装ボード Item D-820-2001 のための Item 画面。

Item 画面では、Item とレビジョンの状態を視覚的に確認するユーザインターフェースを利用できます。以下のようなことが可能です:

  • 最初のレビジョンへの最初のリリースデータから最新のレビジョンまでや、全てのレビジョンと状態遷移間の Item の予定表を閲覧。 
  • Item の新しい 'Planned' レビジョン/プロトコル/モデルを確立。 
  • Item のレビジョンのために使用したライフサイクル定義に従って、Item の特定のレビジョンのためのライフサイクル状態を管理。
  • 2 番目に選択したレビジョン、以前、または以降のレビジョンを比較。
  • Item(生成されたリリースデータや/またはデザインスナップショット)の各レビジョンに関連したドキュメントを回復。 
  • 指定した配布場所へリリースデータを直接、配布。

Item のどんなレビジョンについても、その画面では Vaults パネルに表示したものと同じリリースしたドキュメントをリスト表示します。 

Altium Designer では、Amazon S3、FTP サーバ、Box.net のような保存領域へ、Item Revision 用にリリースしたドキュメント(リリースしたプロジェクトコンフィギュレーションへ割り当てた出力ジョブ ファイルから生成された出力)を配布する機能をサポートします。データを配布する前に、配布場所へ接続を定義したことを確認します。これは、Preferences ダイアログ (DXP»Preferences) の Data Management – Publishing Destinations ページから実行されます。詳細については Publishing Destination を参照してください。

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