Part Catalog と Part Choice

 

ボード設計者として、回路図シートで論理的に接続したコンポーネントを使用して次の製品の構想を考えます。使用するコンポーネントには、シンボル(や他の領域モデル)やパラメータデータが含まれますが、それは 'デザインで意図したシンボル' (プロジェクト設計領域の背景を意味しますが、その領域の外部に物理的なシンボルはありません)です。これらのデザインの実体は、いつでも購入できる(off-the-shelf (OTS)) pre-manufactured item を購入するか、またはそれを仕様にして(made to spec (MTS))、'市場に取り入れる' 必要があります。 

サプライチェーン領域で、調達の担当者はデザインのコンポーネントが何を表すかわかりません。必要なものは、何を調達する必要があるか(デザインコンポーネントを実装するために、どの物理的なコンポーネントを使用できるか)の指示です。設計レベルのコンポーネントに使用できる市場のコンポーネントを決めるベストな人は、設計者以外いないでしょう。  

会社が認可したデザインコンポーネントをリリース、管理する時、'許可された' 製造パーツ(製造、実装ボードでコンポーネントを利用するために)に関する情報を指定できますか? Altium は、統一したコンポーネントモデルとして Global Part CatalogPart Choice を作成する概念を通して、それを解決できます。 

Global Part Catalog は、いつでも購入できるパーツ(エレクトロニクスシステムの構築に使用できるコンポーネントを購入できます(Manufacturer Parts))にリンクしたリファレンスカタログです。Manufacturer Parts は、親 Global Organizations Directory のメーカーへリンクされます。また、Vendor Parts へのリンクを含む Manufacturer Part は、販売する組織、または Supplier が購入するために利用できます。場合によっては、Manufacturer は直接の Vendor/Supplier になるかもしれません。  

マッピング自体(Altium Vault のコンポーネント Item から Global Part Catalog の Manufacturer Parts へ)は、Part Choice List Item (vault に保存されます)を使用して実行されます。各コンポーネント Item は、Part Choice List Item を参照します。コンポーネント Item のレビジョンは、同じ Part Choice List Item を利用します。Part Choice List Item 自体はレビジョンが可能です。個々の実体としてこれを維持することで、それを参照するコンポーネント Item を独立して更新できます。  

Part Choice の概念を通して、vault ベースのコンポーネントを市場の製造パーツへマッピング。 

設計者は、Manufacturer Parts を指定できる(デザインでコンポーネントを使用する状況で、製造に関する時間を節約できる)ことで権限が与えられたと感じます。また、それは vault ベースのコンポーネントを統一したコンポーネントへ向けるコンポーネントのマッピングです! vault ベースのコンポーネント(part choice を通して)の統一した性質により、Manufacturer Part(s) を通してそのコンポーネントから、Vendor (Supplier) Parts へリンクされます。設計者の観点から、コンポーネントはサプライチェーンに直接、関わります。  

選択したパーツ(Global Part Catalog で定義した)を販売するベンダが、現在のコストやパーツを入手可能かどうか設計者へ知らせるために、リアルタイムのデータを利用できます(サプライヤーの web サービスからフィードバックされて)。設計者はこの情報をません。部品調達の担当者は、vault でコンポーネント Item を利用できるように、サプライチェーン情報と並行して作業できます。   

'統一されたコンポーネント' と言う言葉は、part choice を通して(調達チームが提供する必要がある市場の製造パーツへデザインコンポーネントをマップします)より大きな製品領域へデザインコンポーネントを拡張することを表します。これにより、有益で素早い調達チームを得ることができます。

パーツを利用できない、または突然、コストがかかるようになりますか? 問題ありません。変更があるとすぐに、設計領域へ戻ってリアルタイムで更新されます。設計者は、そのコンポーネントの Part Choice List Item からパーツを素早く選択できます。また、いつでも新しいパーツはリストへ追加できます(より適切に費用対効果を得ることができます)。  

サプライチェーン情報を表示

Vaults パネルを使用して vault 内のコンポーネント Item を閲覧している時、その Item のサプライチェーンデータは Supply Chain 画面に表示されます。この画面を表示するには以下の 2 つの方法があります:

  • Item の Summary 画面で part choices リンクをクリックします。 
  • 現在の画面の右上にある表示に関するコントロールをクリックし、ドロップダウンから Supply Chain を選択します。このドロップダウンには、選択した Item に関する他の画面を表示するためのリストが表示されます。 

Component Item の Supply Chain 画面を表示。 

この画面には、以下の情報が表示されます:

  • Solutions – この領域には、1 つ、または複数の Manufacturer-Supplier Part のペアがリスト表示されます。Manufacturer Part を選択して Part Choice List Item へ追加する時、ソフトウェアは Global Part Catalog でパーツとベンダのリンクを調べます。それから、これらがこの領域に表示されます。そのため、そのカタログで 3 つのベンダリンクがある Manufacturer Part を追加した場合、3 つの Manufacturer-Supplier Part のペアがリスト表示されます。各パーツのペアは、メーカー名、メーカーのパートナンバー、サプライヤー名、サプライヤーのパートナンバーから成ります。  
  • Pricing – この領域には、パーツごとの原価に関して現在、選択したパーツの価格情報が表示されます。この情報は、サプライヤーの web データベースから直接、反映されます。異なる数量の価格や通貨(Currency)も表示できます。 
  • Availability – この領域には、現在、いくつのパーツの在庫がサプライヤーにあるかに関して、選択したパーツが入手可能かどうかの情報が表示されます。この情報は、サプライヤーの web データベースから直接、反映されます。 

Part Choice の作成

Component Item に関連した Part Choice List Item との相互作用は、Part Choices ダイアログ内で実行されます。このダイアログは、Solutions 領域の右上にある  アイコンをクリックしドロップダウンメニューから選択して表示できます。コンポーネント Item に一度も part choice を割り当てていない場合、Create Part Choice List コマンドでこれを反映できます。コンポーネント Item に Part Choice List Item が既に割り当てられている場合、Edit Part Choice List コマンドを実行します。 

vault ベースのコンポーネントを Part Choice List Item へ直接、接続する Part Choices ダイアログ。

ダイアログは、2 つに分割されています。左側の Part Search では、必要なパーツについてサプライヤーの web データベースを閲覧できます。レイアウトと動作は Supplier Search パネルと似ています。上部の欄で、検索するためのキーワードを入力します( ボタンをクリックして表示されるオプションからフィルタを適用できます)。それから、Search ボタンをクリックして(または、Enter を押して)検索します。    

Preferences ダイアログの Data Management – Suppliers ページを表示するには、 ボタンをクリックします。ここから、サプライヤーを有効/無効にしたり、サプライヤーに関するオプションを利用できます。 

入力したキーワードに基づいた検索結果は、下に表示されます。その情報は、必要に応じてどの欄でもソートできます。その領域の左下にある矢印ボタンを使用して、複数ページの結果を確認できます。  

異なるサプライヤーでは、異なる通貨の単位を使用するかもしれません。1 つの通貨で表示したリスト内で全ての価格情報を表示するには、リストの右下にあるドロップダウンから通貨を選択します。以下の表は、Altium Desiner でサポートする通貨のアルファベットのコードと標準規格の名称です。 

 

    Alphabetic Code    

 

 

    Currency Name    

 

Australian Dollar

Swiss Franc

Chinese Yuan (Yuan Renminbi)

Danish Krone

Euro

Pound Sterling

Hong Kong Dollar

Japanese Yen

South Korean Won

Swedish Krona

New Taiwan Dollar

US Dollar

注文したパーツの数に基づいた価格を表示するには、Order Quantity 欄を使用します。 

結果リスト内の項目を選択すると、その下の領域にパラメータデータ、仕様(例えば、データシート)、在庫情報を含むそのパーツの詳細情報が表示されます。パーツに関して、仕様を開いて詳細情報を確認できます。  

デザインの要求に合う、または manufacturer のデータシートの詳細な情報を表示するために、選択した Manufacturer Part のパラメータを閲覧。 

デザインコンポーネントの基準に合うパーツを見つけたら、検索結果の右にある  ボタンをクリックします。選択したパーツが、ダイアログの Manufacturer Part Choices の領域へ追加されます。これは、OK をクリックした時、Part Choice List Item の次のレビジョンに保存される Part Choice List です。

ワンクリックで、パーツを part choice のリストへ追加。 

リストには、追加したパーツの Manufacturer や Manufacturer Part Number が表示されます。多くのパーツをリストに追加できますが、リスト内のパーツは、製造、実装ボード上のデザインコンポーネントを表し、デザインの要求通り同じ機能を実行できる点について、それらは同等である必要があることを思い出してください。  

リストからパーツを削除するには、その項目を選択しリスト下部にある Remove ボタンをクリックします。 

OK をクリックすると、part choice は保存されます。初めて Component Item の part choice を追加する場合、そのリストは新しい Part Choice List Item の最初のレビジョンで保存されます。Component Item のリストを修正している場合、リストは Part Choice List Item の新しい(次の)レビジョンへ保存されます。 

選択した Manufacturer Part について、パーツが Global Part Catalog に存在する場合、Component Item の Supply Chain 画面に戻って Solutions の項目を作成している時に Vendor Part のリンクは使用されます。Manufacturer Part がカタログに無い場合、それが追加されベンダのパーツへリンクします。同時に、仲介者はカタログ内の item を更新します。この方法で、Global Part Catalog はより多くの Manufacturer Parts や、将来的に Altium Designer でサポートするサプライヤーが追加されます。 

Part Choice List Item の保存場所 

Component Item のために作成される新しい Part Choice List Item は、Part Choice Lists と言う名称の vault のトップレベルフォルダ下に保存されます。リストで属性や Item の詳細を確認できますが、このフォルダディレクトリの Item と相互に反映する必要はありません。Component Item の Part Choice List と相互に反映させるには、コンポーネントの Supply Chain 画面内から実行する必要があります。Part Choices ダイアログは、この画面からのみ表示できます(Part Choice List Item と直接、相互に反映して Manufacturer Parts を選択できません)。  

Part Choice List Items は、vault のトップレベルフォルダに保存されます。これらの Item と直接、相互に反映させる必要はありません。 

Part Choice List Item の属性を表示 

Part Choice List Item の属性を表示するには、Supply Chain 画面の Solutions 領域の右上にある  アイコンをクリックします。そして、ドロップダウンメニューから Properties コマンドを選択します。

選択した Component Item に関連した Part Choice List Item の属性を表示。

Part Choice List Item を作成する時、パーツがあるか無いかに関係無くリストへ追加される(Item の最初のレビジョンをリリース)ので、属性は読み取り専用です。 

Part Choice List Item の詳細表示 

Related article: Managing the Item's Revision and Lifecycle State - the Item View

Part Choice List Item の詳細を表示するには、Supply Chain 画面の Solutions 領域の右上にある  アイコンをクリックします。そして、ドロップダウンメニューから Full Item Details コマンドを選択します。Part Choice List Item の詳細画面が表示されます。ここから、グラフィカルな timeline で Item の様々なレビジョンを閲覧できます。また、状態を変更して(例えば、New From Design から In Prototype へ、そしてその後に In Production)この画面内でレビジョンのライフサイクル管理を実行できます。これにより、レビジョンの Part Choice を使用するために承認されるかどうか素早く確認できます。  

レビジョンを閲覧したり、レビジョンのライフサイクル状態を管理する機能を含む Part Choice List Item の詳細を表示。 

デザインのサプライチェーン情報を表示

設計者が設計時間に指定する機能(Manufacturer Parts はデザインコンポーネントに使用できます)により、調達プロセスを合理化してコントロールできます。設計データを製造へ送った後、実装のために調達したコンポーネントがデザインの意図通りになるか心配する必要はありません。

しかし、ベストなプランも間違える場合があります。パーツを選択するがそのパーツを利用できなくなっている場合、何が起こりますか? または、コンポーネントの価格変更により製造、実装中のコストが上がるかもしれません。この場合、使用する '権限を与えられた' パーツのコストや入手可能かどうかの変更を知らないと、設計時間にパーツを選択する機能の効果を利用できません。 

回路図エディタ内で直接、選択したパーツのコストや入手可能かどうかをリアルタイムで表示して、設計時間、part choice の利点を利用できます。これは、Supply Chain Insight を含む Design Insight 機能を拡張して容易に行えます。 

Supply Chain Insight は、Preferences ダイアログ (DXP»Preferences) の System – Design Insight ページで設定します。 

システムプリファレンスとして Supply Chain Insight を設定。 

サプライチェーン情報を表示するには、Enable Connectivity Insight オプションを有効にする必要があります。 

回路図シートに配置されているコンポーネント上にカーソルを置いている時、以下のサプライチェーン情報が表示されます:

  • コンポーネントは Altium Vault から配置されました。それは、vault 内のComponent Item のレビジョンです。 
  • コンポーネントには part choice が含まれています。少なくとも、1 つの Manufacturer Part が Part Choice List Item で選択されました。  

回路図シートに配置されたコンポーネント上にカーソルを置いて表示されたサプライチェーン情報の例。

突然、選択したパーツを利用できない、またはその価格が正当でないと言う状況に遭遇したことはありますか? 問題ありません。Part Choices ダイアログを表示して、Manufacturer Parts のリストを変更できます。希望のパーツを選択します(例えば、より安いコンポーネント、または利用できるもの)。設計中や他のデザインでも選択できます!

必要に応じて、デザイン通りに変更!
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