PCB オブジェクトとレイヤの透過表示

 

デザインワークスペース内でオブジェクトの表示をコントロールする機能が追加され、ボードデザインで使用できるオブジェクトタイプやレイヤごとに透過表示を設定できます。2D 表示の時、View Configurations ダイアログの Transparency タブで透過レベル設定を調整します。2D ビュー設定に透過設定があることで、より効果的にボードを設計できます。 

この機能は、Altium Designer 13.0 以前のバージョンにあった Use Transparent Layers 機能(View Configurations ダイアログの View Options タブにあるオプション)から変更されました。 

アクセス

透過表示設定は、View Configurations ダイアログ (Design » Board Layers & Colors) のTransparency タブで定義します。このタブは、2D ビュー設定を表示/修正している時のみ利用できます。 

透過表示設定は 2D ビュー設定で定義でき、この目的のためにデフォルトの 2D ビュー設定を定義できます Altium Transparent 2D。それは、その他の Altium Standard 2D ビュー設定と同じで、あらかじめ透過表示が Transparency タブ内で定義されている点のみ異なります。このビュー設定で透過表示を設定して、透過表示(Altium Transparent 2D)と標準(Altium Standard 2D)の画面を素早く切り換えできます(透過表示を ON、または OFF に切り換えて)。このビュー設定(Altium Transparent 2D.config_2dsimple)は、他のデフォルトのビュー設定と同様に Altium Designer のインストールフォルダ(\Templates フォルダ)に保存されています。  

Altium Transparent 2D ビュー設定のデフォルトの透過表示設定。 

Altium Standard 2D ビュー設定(\Templates\Altium Standard 2D.config_2dsimple)は、デフォルトで Rooms の透過表示が 60% に、それ以外の透過表示がオブジェクトタイプごとに 0% で設定されています。  

Transparency タブは、PCB エディタでの右クリックメニューから素早く、直接、表示できます。Options サブメニューから Board Layers Transparency コマンドを使用します。 

透過表示に含まれるレイヤとオブジェクト 

そのタブの主要な領域は、縦軸に各レイヤが、横軸に各デザインオブジェクト タイプが表示された '透過表示の表' です。これは、透過表示設定を特定のオブジェクト、レイヤに定義できるだけでなく、特定のレイヤで異なる透明度を定義できます。  

デフォルトでは、現在のボードのレイヤスタックに存在するレイヤのみが表示されます。全てのレイヤを表示するには、Only show used layers オプションを無効にします。 

レイヤ自体は、以下の機能タイプでグループ化されます:

  • Signal Layers – Top Layer, Bottom Layer, Mid-Layer 1-30
  • Internal Planes – Internal Plane 1-16
  • Other Layers – Drill Guide, Keep-Out Layer, Drill Drawing, Multi-Layer
  • Silkscreen Layers – Top Overlay, Bottom Overlay
  • Mask Layers – Top Paste, Bottom Paste, Top Solder, Bottom Solder
  • Mechanical Layers – Mechanical 1-32

デザインで使用されていないレイヤは、レイヤ名、透明度の値がグレーで表示されます。これらの使用されていないレイヤは、必要に応じて透明度を設定できます。 

全体的な透明度を設定したい時(どのボードデザインにも使用できます)、Only show used layers オプションを無効にして目的のレイヤの透明度を設定します。この方法で、レイヤを特定のボードデザインへ追加した場合、最初から定義済みの透過表示設定を使用できます。 

透明度の定義

1 つのレイヤ上にあるオブジェクトの透明度の値は、単にそこで設定します。オブジェクトとレイヤが交差するセルを選択し、スライダーバー、またはスピンコントロールの透過表示のコントロールを使用します。後者を使用している場合、その欄に直接、透明度のパーセンテージを入力できます。 

透明度は、パーセンテージ目盛で 1% ずつ設定できます。0% は完全に表示され、100% は完全に透過表示(または、表示されない)になります。 

1 つのセルで透明度を設定した例(この場合、Top Layer 上のトラック)。

複数のオブジェクトを選択するには、以下のコントロールを使用します。それから、1 つの操作で同じ透明度を設定できます:

  • 1 つの列にある複数のセルを選択するには、Ctrl+クリックします。 
  • 複数の列と/または行の連続したセルを選択するには、Shift+クリック (または Shift+Arrow キー) します。 
  • 1 つの行にある複数の連続したセルを選択するには、クリック&ドラッグします。 

同時に複数のセルの透明度を設定した例。

特定のレイヤ上にある全てのオブジェクトタイプの透明度を素早く設定するには、レイヤ名をクリックして行全体を選択します。それから、目的の透明度を設定します。 

1 つのレイヤ上にある全てのオブジェクトの透明度を設定した例(この場合、Top Overlay レイヤ)。 

複数の連続したレイヤ上にある全てのオブジェクトの透明度を素早く設定するには、複数選択のコントロールを使用して目的のレイヤのセルを選択してから透明度を設定します。 

複数の連続したレイヤ上にある全てのオブジェクトの透明度を設定した例(この場合、Top と Bottom Overlay レイヤ)。 

全てのレイヤにある特定のオブジェクトタイプの透明度を素早く設定するには、オブジェクト名をクリックして列全体を選択します。それから、透明度を設定します。 

全てのレイヤにある特定のオブジェクトタイプの透明度を設定した例(この場合、Regions)。 

透過表示の動作

下図は、DB46 のサンプルデザインの PCB を示します。標準の 2D 表示 (Altium Standard 2D) の場合、トップレイヤのポリゴンによりその下が見えない状態です!

標準の2D (Altium Standard 2D ビュー設定)のボードを表示。 

次の画像は、異なるレイヤ上にある様々なオブジェクトを透過表示した状態を示します(Altium Transparent 2D ビュー設定)。ワークスペースでこの表示に切り換えて、ポリゴンが 70% で透過表示され、X 線のように下のオブジェクトが見える状態になります。また、透明度の設定を調整して、オブジェクトを目的の状態で表示できます。 

transparent 2D 表示 (Altium Transparent 2D ビュー設定)へ切り換えて、トップレイヤのポリゴン下にあるオブジェクトを表示。 

パッドやビアのような Multi-Layer オブジェクトを含めないでマスクレイヤを表示するには、これらのオブジェクトの透明度を上げるか、または完全に(100%)透過表示にします。これは、マスクの開口をより小さくする場合、役立ちます!

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