シミュレーションモデルをコンポーネント定義へ追加

 

Related article: Simulation Model 定義を Altium Vault へリリース

設計側で、Altium Vault へリリースした各デザインコンポーネントは、ソース Component Definition を使用して指定します。コンポーネント定義は特定のデザインコンポーネントの定義で、コンポーネントに関するモデルやパラメータを適切に結びつけます。 

設計領域では、vault ベースのコンポーネントには領域モデル自体は含まれず、それはモデルへリンクされます。通常の回路図シンボルや PCB 2D/3D コンポーネントモデル(回路図シンボルやPCB Component Item として vault へリリースした)や、シミュレーションモデル(Simulation Model Item として vault へリリースした)へもリンクできます。  

このドキュメントでは、Component Library (*.CmpLib) 内でシミュレーションモデルをコンポーネント定義へ追加する方法(コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータ定義やピンマッピングの設定を含む)を説明します。

このドキュメントでは、領域モデル(回路図シンボル、PCB 2D/3D コンポーネントモデル、シミュレーションモデル)が Altium Vault で Item としてリリースされていると仮定します。回路図シンボルや PCB コンポーネントモデルのリリースに関する情報については、 Vault ベースの領域モデル をご覧ください。シミュレーションモデルのリリースに関する情報については、Simulation Model 定義を Altium Vault へリリース をご覧ください。

ショットキーダイオードに関して定義された Component Library。回路図シンボルや PCB Component Item Revision は既にリンクされています。今、必要なのは Simulation Model Item
(vaultへ既にリリースされている)に関してです!

シミュレーションモデルの要件を指定

最初に、シミュレーションモデルタイプは Component Library の Required Models リストへ追加する必要があります。これにより、コンポーネントの定義へそのモデルタイプに関する欄が追加されます。これを行うには、Required Models 領域の下部にある Add をクリックし、メニューからSIM の項目を選択します。このモデルタイプは、その領域内にあるタイプのリストへ追加されます。そして、それに関する欄がコンポーネント定義領域に追加されます。 

コンポーネント定義で使用できるように SIM モデルタイプを指定。

デフォルトで、SIM 欄は表示されます。これは、Required Models 領域の SIM の項目の右にある Show オプションを使用してコントロールできます。

シミュレーションモデルリンクを追加

モデルのリストへ追加した SIM モデルタイプや、(以前にリリースした)Simulation Model Item へリンクを追加できます。Model Links 領域の下部にある Add をクリックして、メニューからSIM の項目を選択します。Choose Model ダイアログが表示されます。そこから、vault 内を閲覧しモデルを選択できます。リンクがその領域へ追加され、SimModel ファルのプレビューが右のプレビュー画面に表示されます。 

Simulation Model Item (シミュレーション領域でコンポーネントを表す )の特定のレビジョンへリンクを追加。

多くの SIM モデルリンク(同じモデル Item の異なるレビジョンへのリンクを含む)を追加する場合があります。それぞれ、Simulation Model Item の特定の名称が付けられたレビジョン(例えば、Simulation Model Item SIM-001-0001 のレビジョン 1 であれば SIM-001-0001-1)へリンクされます。モデルリンクを選択し、右クリックメニューから Show in Explorer コマンドを使用して、Vaults パネルを素早く表示して Simulation Model Item Revision 情報を確認できます。

SIM モデルリンクを変更するには、それを追加するのではなく、その Item 欄をクリックしてから ボタンをクリックします。Choose Model ダイアログが表示されます。そこから、別の Simulation Model Item、または同じ Item の別のレビジョン を選択できます。使用されている Item のレビジョンが最新でない場合(Revision StatusUp to date にならないように)、現在のモデルリンクを右クリックして Update To Latest Revision コマンドを選択します。

モデルリンクとして追加したら、Component Library ドキュメントのコンポーネント定義でシミュレーションモデルへアクセスできます。Assignment is simply a case of specifying to use the link as part of the definition. SIM モデルリンクを削除するには、それを選択し Remove をクリックします。

コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータを追加

デザイン内にあるコンポーネントのシミュレーションモデルを使用している時、そのモデルのパラメータは 2 つの異なるレベルで指定できます:

  • Model-Level Parameter – シミュレーションモデル定義(SimModel ファイルで)で指定し、その定義と一緒に、リンクした Simulation Model Item のレビジョンへリリース。 
  • Component-Level Parameter – コンポーネント定義(CmpLib で)で指定し、その定義と一緒に、リンクした Component Item のレビジョンへリリース。

コンポーネントレベルのパラメータは、複数のモデル間を共有するパラメータ、または設計者が回路図上でパラメータを表示/編集したい場合(例えば、value、frequency 等)に使用します。

パラメータは、Component Library ドキュメントのRequired Parameters 領域にコンポーネントレベルで追加されます。パラメータの名称は、モデルレベルで定義したパラメータと同じ名称にする必要があることに注意することは重要です。モデルレベルのパラメータを確認するには(コンポーネントレベル(やそれらの名称!)でパラメータを追加できます)、SIM モデルリンクを選択し、プレビュー画面の下部にある View Parameters をクリックします。  

Simulation Model Item に関するモデルレベルのパラメータを表示して、どのパラメータをコンポーネントレベルで追加できるか、そしてそれがどんな名称か確認!

モデルレベルのパラメータを利用して、コンポーネントレベルで同じパラメータを追加できます(ライブラリでコンポーネント定義を利用できます)。これを行うには、Required Parameters 領域の下部にある Add をクリックします。新しいパラメータの項目がリストに追加されます。名称を変更するには、Parameter Name 欄内をクリックします(モデルレベルのパラメータの名称と一致させる必要があります)。パラメータに関連した単位を反映する必要がある場合、Unit 欄内をクリックし単位を入力します。  

Add sim-related parameters at the component-level.

パラメータを削除するには、それを選択し Remove をクリックします。

リリースしたコンポーネントをデザインに配置する時、シミュレーションパラメータには、同じパラメータのモデルで異なる値のコンポーネントを割り当てることができます。ネットリストを生成する時、コンポーネントレベルのパラメータは優先されます。 

内蔵の SPICE3f5 モデルに関して、コンポーネントレベルでパラメータの値を入力すると、モデルファイル (*.mdl) で定義したパラメータは無視されます。例えば、コンデンサについてコンポーネントレベルの Width パラメータの値を指定すると、モデルファイルの DEFW パラメータに指定した値は無視されます。サブサーキットモデルについてコンポーネントレベルでパラメータを指定した場合、subcircuit file (*.ckt) で定義した値は無視されます。デジタルデバイスについて、パラメータをコンポーネントレベルで指定した場合、ソース SimCode 定義 (*.scb) でパラメータに指定した値は無視されます。 

シミュレーションの観点からコンポーネントを定義

モデルリンクを追加して、コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータを定義して、コンポーネントの定義のシミュレーションを追加/定義できます。 

モデル

定義の SIM 欄をクリックすると、Simulation Model Item Revision のドロップダウンリストが表示されます。シミュレーション領域で、コンポーネントを表すために使用する Item Revision を選択します。そのリスト内の項目上にカーソルを置くと、Model Links 領域内の項目がハイライト表示され、SimModel ファイルのプレビューが表示されます。  

コンポーネントに使用する SIM モデルを指定。

パラメータ

Required Parameters 領域で入力したコンポーネントレベルのシミュレーションパラメータに相当する欄を確認します。パラメータごとに 1 つの欄があります。必要に応じて、これらのパラメータ値を入力します。 

コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータ値を指定。

Required Parameters で定義したパラメータは、コンポーネント定義で使用する必要はありません。指定したパラメータのみがリリースされます。

定義されているコンポーネントに依存して、多くのパラメータを利用できます。コンポーネント定義領域で目的のパラメータを見つけることが困難な場合、Required Parameters 領域にあるコントロール(各パラメータのShow オプションや、右クリックメニュー)を使用して不要なパラメータを非表示にします。

ピンマッピング

SIM モデルへのリンクを選択したら、コンポーネントのピン(回路図領域で表現された時の)がシミュレーションモデルのピンへ正しくマップされていることを確認する必要があります。これは、Pin Mapping ダイアログ(SIM モデルの項目を右クリックし、メニューから Edit Pin Mapping を選択します)で実行します。回路図ピンごとに、ドロップダウンを使用して Model Pin を変更できます。デバイスがマルチパートの場合、各パートに関してマッピングを確認します。 

回路図ピンとモデルのピンマッピングを確認。

マルチパートコンポーネントについて、Pin Mapping ダイアログではシミュレーションでパートを考慮しないように設定できます。

内蔵の SPICE3f5 やサポートされた PSpice モデルについて、モデルのピンに関する機能は、SPICE 3f5 ユーザマニュアルのモデルの項目に記載されています。サブサーキットモデルについて、メーカーは通常、モデルの各ピンの機能に関してコメントを記載しています。コメントが明確に記載されていない場合、モデルのピン出力は通常、物理的なデバイスと同じです。この場合、デバイスのデータシートを確認してください。Digital SimCode モデルについて、SimCode ファイルで宣言された INPUTSOUTPUTS へのコンポーネントピンのマッピングは、ネットリストテンプレートの入出力ノードリストに依存します。

リリースしたコンポーネントのモデルを確認

コンポーネント定義を Altium Vault へリリースすると、Component Item は Vaults パネルで閲覧できます。コンポーネント定義を右クリックし、メニューから Show in Explorer を選択して、Vaults パネルを直接、表示できます。 

Vaults パネルで、vault にリリースしたコンポーネントを直接、表示。Simulation Model Item (altium-simulation-model) とコンポーネントレベルのシミュレーションパラメータです。

Component Item-Revision(部品)を回路図シート上に配置すると、シミュレーションモデルリンクや、コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータを確認できます。

Component Item のレビジョン(部品)を配置した後、シミュレーションモデルリンクや、コンポーネントレベルのシミュレーションパラメータを確認。

CmpLib の自動生成

Component Library で役立つツールの 1 つは、ソース回路図ライブラリから自動で生成する機能です:

  • アクティブな回路図ライブラリから、Tools » Generate Component Library コマンドを使用します。 
  • 指定したソースフォルダに保存した複数の回路図ライブラリから、バッチ形式の Release Manager (File » Release Manager) を使用します。 

このツールは手動による作業のため、ソースコンポーネント定義(vault ベースの Component Item が生成されます)を作成する時、エラーが起こる可能性があります。 

この方法で Component Library を生成するには、参照に必要な領域モデル Item を最初にリリースする必要があります。そのため、新しいコンポーネント定義を回路図コンポーネントから作成する前に、ソース回路図コンポーネントのソースシンボル、シミュレーションモデル定義、PCB 2D/3D Component モデルを vault へリリースする必要があります。

ソース回路図ライブラリで、シミュレーションの準備ができているコンポーネントを構築しておけば、再度、作成する必要はありません! 移行ツールは、ライブラリ内のソース回路図コンポーネントに関する情報を使用して、コンポーネント定義に必要な欄が設定されます:

  • 回路図シンボル、シミュレーションモデル定義、PCB 2D/3D Component モデルをリリースして作成された Item は、コンポーネント定義のモデルリンクとして使用されます。 
  • Symbol Reference と Description パラメータ値は、コンポーネント定義の Comment と Description パラメータの値として使用されます。  
  • 回路図コンポーネントに定義した全てのユーザパラメータ(コンポーネントレベル パラメータとして追加したシミュレーションに関するパラメータを含む)は、コンポーネント定義のパラメータとして追加されます。 

Digital SimCode モデルのサポート

Simulation Model Item(*.scb ファイル内に SimCode が定義されています)を参照する vault ベースのコンポーネントを使用している時、scb ファイル(SimModel ファイルと一緒に vault へリリースした)はシミュレーションを実行するために使用されます。生成されたシミュレーション ネットリスト (*.nsx ファイル) で、モデルの参照は scb ファイル(vault のローカルキャッシュに保存された)へのフルパスになります。例えば、以下のようになります:

.MODEL 74LS90 xsimcode(file="C:\ProgramData\Altium\AD {A586F887-1E00-4F36-9EC8-61C78B91FA73}\VaultsFileCache\0072B38F-E431-40BB-B462-FD262DB9CDAB\9A7AB3DA-D4A5-43B3-9C88-33A56E86A0BF\Released\LS.SCB" func=ls90)

通常、.scb ファイルには複数の scb モデルが含まれています。シミュレーションモデル定義をリリースする時、.scb ファイル(vault で SimModel ファイルと一緒にリリース、保存した)内のモデルはクリアされます(シミュレーションモデル定義で参照された 1 つの scb モデルのみにするため)。

You are reporting an issue with the following selected text and/or image within the active document: