配線長チューニングの改善
serpentine routing としても知られているアコーディオン形状の配線長チューニングは、高速ネットに関して正確なタイミング要件に合わせるための標準の設計手法です。これは、より短い配線経路へアコーディオン部分を追加して、重要なネットの配線長を一致させるために使用します。アコーディオンは、Interactive Length Tuning 機能を使用して、既存の配線へ追加されます。このコマンドを選択したら、既存の配線をクリックしてからカーソルを移動し、アコーディオン部分を追加します。
既存アコーディオンの再形成
既存のアコーディオン部分を修正するには、以下の動画のようにアコーディオン部分をクリックし、編集ハンドルを表示します。アコーディオンのサイズを変更するには、境界ボックスの端、または頂点をクリックしドラッグします。アコーディオンのサイズは、境界ボックスの形状に合うように自動で変わります。
アコーディオン形状を修正中、Tab キーを押し Interactive Length Tuning ダイアログを表示します。ここから、アコーディオンの Style、Amplitude、Gap (ピッチ) を変更できます。
あるいは、アコーディオン選択ボックスをクリックしたまま以下のショートカットを使用すると、アコーディオン形状を再形成できます:
- 1 - Miter 半径を減少
- 2 - Miter 半径を増加
- 3 - Gap Increment で指定した値ごとにギャップを減少
- 4 - Gap Increment で指定した値ごとにギャップを増加
- , - Amplitude Increment で指定した値ごとに振幅を減少
- , - Amplitude Increment で指定した値ごとに振幅を増加
- Shift+G - 配線長チューニングゲージの表示を切り換え
アコーディオンの分解
union になっている配線長チューニングのアコーディオンは、グループオブジェクト(トラックと/または、アークセグメントのプリミティブから成る)です。コンポーネント、座標、寸法線、ポリゴンのようなその他のグループオブジェクトと同様に、配線長チューニングのアコーディオン オブジェクトは、'分解' できます。言い換えると、フリープリミティブへ変換できます。これは、個々に修正できます。これを行うには、Tools » Convert サブメニュー、または右クリック Unions サブメニューにある Explode Length Tuning コマンドを使用します。
改善された配線長チューニングゲージ
配線長は、配線長チューニングゲージ(ショートカット Shift+G を使用して、表示を切り換えできます)を参照して調整します。
配線長チューニングは、インタラクティブ配線中、実行できます(配線長チューニングのアコーディオンを配置するために、配線中に Shift+A を押します)。また、Tools » Interactive Length Tuning コマンドを選択して、配線後にも配線長チューニングを行えます。
チューニングゲージには、以下が表示されます:
- 最小、目標の最大長。ゲージ上に縦の線で表示されます。
- 現在の配線長。スライダーの上部に数字で表示されます。
- スライダー(以前は、現在、配線済みの配線長の合計が表示されましたが、現在は、配線長 と 残りの推定距離 が表示されます)。
スライダーの効果を改善するために、Altium Designer 14.3 ではスライダーに 現在の配線長
と 残りの推定距離
が表示されます。残りの推定距離 とは、現在の配線の終了点から目標のパッドまでの距離です。この変更の利点は、ルールの要件を満たしそうにないネットを事前に確認できることです。
インタラクテイブ配線中、現在の配線長が PCB パネル (Nets モードに設定した時) に表示されます。パネルには、デフォルトで Name、Node Count、Routed length、Un-Routed (Manhattan) length が表示されます。右クリックしメニューを表示します。そこから、列を表示、非表示できます。下図では、全ての列が表示されています。
Length デザインルールが設定されている場合、ルールでターゲットにした各ネットの配線済み状態が、色分けして(配線長 < ルールの最小値 の場合、黄色。ネットがルールの範囲内の場合、無色。配線長
)表示されます。 > ルールの最大値
の場合、赤色。