複数行の PCB テキスト

このバージョンで、PCB エディタのストリングオブジェクトについて、複数行のテキストを対応しました。これにより、テキストの境界ボックス内でワードラップに対応します。これは、Stroke と True Typeフォントスタイル双方に適用します。

新しい複数行のストリング機能の改善により、PCB レイアウトへ複数行のテキスト(メカニカルレイヤに技術、機構、実装情報に関する注釈を配置する場合等)を容易に追加できます。1 つのテキスト行を複数配置して、複数行のテキスト(段落)を疑似的に表す以前の方法を改善し、複数行のテキストを 1 つのテキストオブジェクトで定義できます。


テキスト境界ボックスのサイズを変更すると、複数行のテキストは、自動でワードラップします(Stroke と True Type フォントの双方に対応

ダイナミックなワードラップ

PCB エディタのテキストオブジェクトは、複数行のテキストを反映できるよう、境界ボックスのハンドルをドラッグ、または手動で String ダイアログの幅と高さを入力して、常時、大きさを変更できます。

 

テキストボックスの大きさは、テキストの両端をそろえるように、Stroke と True Type フォントの双方で変更できます。

 

ストリングを基板に配置したら (Place » String 、メニューの アイコン、ショートカット P, S を使用して)、通常の方法でテキストを入力します(ストリングをダブルクリックして String ダイアログを開いて、Properties 欄に文字を入力します)。


追加したテキストは、String ダイアログの properties 欄に配置されます。

配置したテキストオブジェクトが境界ボックスの幅を超えた場合、次の行へ自動でワードラップします(ボックスの高さが十分ある場合)。境界ボックスの大きさを変更した時、テキストは、複数行でワードラップします。


テキストボックスの幅を変更した時、テキストは、自動でワードラップします。

境界ボックスの大きさ

複数行の機能は、全てのテキストが常に表示されるように、反映されます。そのため、境界ボックスの最小の大きさは、ワードラップされる方法に関係無く、テキストがある領域に制限されます。そのため、ボックスのハンドルを操作する時、最小サイズになったら、それ以下のサイズには変わりません。

また、String ダイアログで手動で設定したサイズが、入力されているテキストの領域以下になる場合、その値は無視されることに注意してください。

しかし、ボックスの高さが十分ある場合、ボックスの幅を小さくすると、それに合わせるようにテキストはワードラップします。ボックスの幅を大きくすると自動でワードラップが解除されます。ボックスの高さは、ダイナミックに変わりません。または、直接、ワードラップに影響がありません(ワードラップは、ボックスの幅で決まるため)。

強制改行

複数行のテキスト機能に関してその他に、ストリング オブジェクトは、強制改行(キャリッジ・リターン + ラインフィード)できます(String ダイアログでテキストを入力中、Enter キーを押します)。必要な場合、新しい行へ強制改行して、複数の段落を構成できます。


String ダイアログの Properties 欄で Enter を押して、新しい行へ強制改行できます。

既存の機能

複数行のテキスト機能は、Altium Designer のテキストに関連する機能に対応します。例えば、String オブジェクトのネガ文字機能 (True Type フォントのみ) (Margin Border と Text Offset 設定を含む)も、複数行のテキストに適用します。

また、複数行のテキストは、PCB InspectorList パネルでも対応しています。エクスポート ユーティリティを含む実装、製造出力ドキュメントで重要です。

 

複数行のテキスト機能は、Free ストリングに利用でき、コンポーネント デジグネータやコメント等のような、特定のストリングへは適用できないことに注意してください。

以前のバージョンとの互換性

以前のバージョンの Altium Designer (15.0 やそれ以前) では、バージョン 15.1 で作成した複数行のテキストオブジェクトを正しく扱えません。このテキストが、以前のバージョンでどのように表現されるかは、以下の 2 つの方法で作成した場合に依存します:

  • 自動ワードラップの複数行のテキストを含む PCB ドキュメントをバージョン15.1で作成した場合。
  • 複数行のテキスト内で強制改行 (CRLF) を含む PCB ドキュメントをバージョン15.1で作成した場合。

自動ワードラップのテキスト

自動ワードラップのテキストを含む PCB ドキュメントを以前のバージョンの Altium Designer で開く時、ストリングオブジェクトは、1 つの行のテキストに変換されます。

これは、バージョン15.1 の自動ワードラップのテキストが、境界ボックスの大きさで決まり、以前のバージョンの Altium Designer では、この情報が無視されるためです。そのストリングは、通常通り、1 つの行のテキストとして表現されます。その後、ドキュメントを再保存した場合、バージョン 15.1 で開くとテキストは、1 つの行のテキストに戻ります。

強制改行のテキスト

強制改行を含むテキストが配置されている PCB ドキュメントを以前のバージョンの Altium Designer で開く時、ストリングオブジェクトは、1 つの行のテキストに変換されます。しかし、強制改行した箇所に、ランダムの文字が見かけ上、表示されます。

これは、バージョン 15.1で強制改行したテキストが、テキストストリングに埋め込まれた キャリッジ・リターン + ラインフィード (CRLF) (String ダイアログでテキストを編集する時、Enter キーを押して作成した)によって作成されているためです。これは、バージョン 15.1で非表示のままですが、以前のバージョンでは、CRLF で表現されます。

String ダイアログの Text 欄からテキストエディタ(例えば、Notepad++ 、または同様のエディタ)へコピーして、埋め込まれたCRLFを確認できます。

以前のバージョンの Altium Designer でストリングを修正するには、以下の 2 つのオプションがあります:

  1. CRLF が埋め込まれている場合、String ダイアログで文字間の全てのスペースを削除します。それから、新しいスペースを入力します。
  2. String ダイアログで、テキスト欄の内容をコピー (Ctrl+C) してからペースト (Ctrl+V) します。これは、ペーストプロセス中、非表示の CRLF を無視させる確実な方法です。
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