Altium Designer 16 の新機能

ALTIUM DESIGNER 16.1

リリース: 2016年5月2日 - バージョン 16.1.7 (build 188)
リリース: 2016年5月16日 - バージョン 16.1.8 (build 203)
リリース: 2016年6月3日 - バージョン 16.1.9 (build 221)
リリース: 2016年6月21日 - バージョン 16.1.10 (build 233)
リリース: 2016年7月20日 - バージョン: 16.1.11 (build 255)
リリース: 2016年8月18日 - バージョン: 16.1.12 (build 290)

この新しい Altium Designer では、新機能や、ソフトウェアの主要なテクノロジーの改善点があります。また、AltiumLive コミュニティの BugCrunch システムで、お客様が報告した問題点の改善にも取り組んでいます。新機能を追加、既存の機能を改善し、最先端のエレクトロニクス テクノロジーを利用できます。

 

Altium Designer 16.0.xx から、現在のバージョンを使用し続けるか、または Altium Designer 16.1 へアップグレードして最新の機能を利用するか選択できます。あるいは、両方をインストールして、要件に合うバージョンを使用できます。

Draftsman - 新しい PCB Drawing エディタ

PCB 製造用ファイルの詳細を出力するために、Altium Designer 16.1 では、基板製造用のグラフィカルなドキュメントを作成できます。専用のファイル形式と drawing ツールに基づいた新しい Altium Draftsman drawing システムにより、カスタムテンプレートで、または注釈、コールアウト、メモを含む製造、実装図面を作成できます。

xSignals ウィザードでの USB 3.0 モード

xSignals ウィザードでは、デザインの重要な信号に関する信号経路を容易に定義できます。xSignal では、適切な配線長や matched length デザインルールを容易に定義できます。それから、配線長チューニングを使用できます。このバージョンでは、ウィザードで USB 3.0 モードを追加しました。

PCB 3D での新しい測定モード

3D クリアランスチェックでは、干渉箇所を検出できますが、同時にデザインの重要な箇所で正しいクリアランスを確保できます。ボタンは、正しい距離にありますか? コネクタとケース間のクリアランスはどうですか? どれぐらいの空き領域がありますか?
これらは、新しい 3D 測定機能で確認できます。

PCB の改善

Altium Designer 16.1 では、無効なデザインルールの検出、メカニカルレイヤの名称を容易に変更する方法、テキストストリングの両端揃えのコントロールを含む PCB エディタの機能を改善しました。PCB 設計全体を改善して、生産性や効率化を向上できます。

回路図の改善

Altium Designer 16.1 では、類似オブジェクトの検索 機能に関するスコープの追加、ネット色機能を使用して、バス、またはそれに関連するネットをハイライトする時にバスエントリも含める等、回路図エディタの機能を改善しました。回路設計全体を改善して、生産性や効率化を向上できます。

改善したコンポーネントリンクの同期

設計では変更があり、新しいコンポーネントを追加し、既存のコンポーネントを削除する場合がよくあります。コンポーネントを自動でリンクする機能を導入し、コンポーネントを同期するプロセスが容易になりました。

Altium Designer プリファレンスのデフォルト設定を変更

このバージョンでは、Altium Designer プリファレンスのデフォルト設定を変更しました。この変更により、Altium Designer の環境に慣れていないお客様でも、より容易に設計を開始できます。

その他の改善

1 つ目は、このバージョンの Altium Designer は、正式に Windows XP で対応していません。16.1 (または、それ以降) をインストールしたり、以前のバージョンから更新もできません。
2 つ目の改善は、Altium Designer 内で生成した HTML ベースのレポートに関することです。メインデザインウィンドウでアクティブドキュメントとしてレポートを表示している時、右クリックメニューの Print コマンドを選択して、それを印刷できます。

 


Altium Designer 16.0

リリース: 2015年11月10日 - バージョン: 16.0.5 (build 271)
リリース: 2015年12月17日 - バージョン: 16.0.6 (build 282)
リリース: 2016年3月4日 - バージョン: 16.0.8 (build 354)
リリース: 2016年4月20日 - バージョン: 16.0.9 (build 368)

この新しい Altium Designer では、新機能や、ソフトウェアの主要なテクノロジーの改善点があります。また、AltiumLive コミュニティの BugCrunch システムで、お客様が報告した問題点の改善にも取り組んでいます。既存のテクノロジーを改善した機能があり、ソフトウェア全体を改善し、設計者は、最先端のエレクトロニクス テクノロジーを利用できます。

 

以前のバージョンから Altium Designer 16 へ更新することはできません。新規でインストールする必要があります。現在のバージョンを使用し続けるか、Altium Designer 16.0 をインストールして最新の機能を利用するか選択できます。あるいは、両方、インストールして、要件に合うバージョンを使用できます。

 


高速設計対応の強化

高速信号による設計は、デバイステクノロジーの改善や、製品性能の改善要求により、ますます一般的になっています。高速設計に対応する必要があり、Altium Designer 16 では、高速信号の定義や配線に関する重要な改善が含まれています。

Altium Designer では、複数のネットやシリーズ抵抗が含まれている信号経路は、extended SignalxSignal と呼ばれます)として定義できます。これは、high speed デザインルールで対象にできます。デバイス自体による信号遅延(pin/package delay と呼ばれます)は、全体のxSignal の配線長に影響を及ぼします。xSignal ウィザード(多数の xSignal を素早く検出、定義できます)では、DDR3/DDR4 インターフェース基準の xSignal を作成できます(その他のインターフェースも対応予定です)。また、差動ペア配線長チューニングの改善により、ペア間やペア内で配線長を素早く、正確に一致させることができます。

テクノロジーを考慮した xSignal ウィザード

改善された xSignal ウィザードで、インターフェース、メモリ、カスタム回路のxSignalを作成できます。ウィザードでは、オリジナルのカスタム Multi-Component Interconnect モードや、DDR3/DDR4 メモリを対応しています(その他のインターフェース基準は、将来的な更新で対応予定です)。

ピンパッケージ遅延の管理

高速設計の配線で重要な要素は、配線長を一致させることです。Altium Designer では、xSignal を使用する時、配線長の計算で pin-package delay を考慮できます。

配線長チューニング中に目標配線長を変更

目標配線長の作業をより容易、合理的にするために、目標配線長の機能を改善しました。この改善では、配線長チューニングに適用できるルールを確認して、その中から使用するルールを選択できます。ルールを選択しない場合、最大配線長のルールがデフォルトで使用されます。あるいは、2 つのルールの目標配線長が同じ場合、優先度の高いルールが使用されます。

差動ペア配線の改善

高速シリアルインターフェースのようなテクノロジーを使用するデザインで、差動ペア配線は、より一般的になっています。これを考慮し、Altium Designer では、差動ペア配線に関する多くの改善点が含まれています(ペアギャップの一時解除、ペア内の配線長のチェック等を含む)。


 

容易なデザインの仕様設定と確認

デザインルールは、基板設計プロセスの重要な部分です。Altium Designer には、高度なルールスコープを設定できるシステムが搭載されています。ルールスコープシステムが容易になり、ルールが要件(特定のネットクラス、レイヤへ適用する等)に従うことを容易に確認できます。キーワードベースのスコープシステムを利用できますが、Altium Designer 16 では、ドロップダウンからスコープを選択できます。また、ルールチェックが容易になり、DRC 後に自動で PCB Rules and Violations パネルが表示されます。そのパネルからルール違反の解析を行えます。

デザインルールの改善

Altium Designer で、デザインルールは、デザインの要件を定義したり、デザインのあらゆる面(配線幅、クリアランス、プレーン接続形状、配線ビア形状等を含む)に対応するために使用します。  

この Altium Designer 16 では、デザインルールエディタにクエリをテストする機能を追加し、設定したクエリ言語がどのように反映されるか確認できます。また、それをどのフィルタで表示するかドロップダウンから容易に選択できます。デザインルールは幅広く作られており、容易に定義できます。 

改善した違反レポート

DRC 違反の結果は、PCB Rules and Violations パネルに凝縮され、より容易に利用できます。PCB Rules and Violations パネルは、自動で起動し、DRC バッチプロセスを完了するとアクティブになります。詳細情報は、Violation 欄に表示されます。

また、PCB Rules And Violations パネルの Select チェックボックスを有効にしてから、下部の DRC Violation を選択すると、違反に含まれているプリミティブがセレクトされます。

Same Net Clearance ルールの改善

Same-Net Clearance ルールを改善し、意味のある場合のみに違反として検出されます(すなわち、意味の無い場合は無視されます)。Same-Net Clearance ルールを使用した時、有効な違反のみ認識されます。


 

インタラクティブ設計中のより良いフィードバック

PCB は、複雑で詳細な情報が含まれており、プロセスを繰り返す場合がよくあります。コンポーネントを配置するオプションは、頻繁に確認、調整する必要があります。また、配線プロセス中も継続する必要があるかもしれません。これらは、デザインルールで設定します。このプロセス中、これらのオプションを容易に確認できるよう、Altium Designer 16 では、コンポーネントを配置、または配線できるスペースをリアルタイムで見ることができます。

配線中にクリアランス境界を表示

今までに、インタラクティブ配線中、配線できるスペースがどれぐらいか考えたことはありますか? 配線中、各オブジェクトのクリアランスがどれぐらい必要か見ることができます。

スマート コンポーネント配置

コンポーネントを押し退け、回避する機能を対応しました。この機能は、プリファレンスで、または配線中、有効にできます。コンポーネントをスナップして整列することもできます。


 

正確な 3D モデルを作成して、完成したデザインを 3D、PDF で表示

Altium Designer 16 は、優れた 3D 設計機能で構成されており、クラス最高の 3 次元 PCB 設計プラットフォームを提供します。基板を作る前に、PCB エディタでは、プレゼンテーションや画像生成のための 3D ビジュアライゼーション機能を利用できると共に、機構系の筐体をインポートできます。そのため、正確な 3D 干渉チェックを行えます。これらを行うには、基板上の各コンポーネントの正確な 3D モデルが必要です。この作業を軽減するために、Altium Designer 16 では、IPC コンポーネントウィザードで 3D STEP モデルを自動で生成する機能があります。IPC 基準に従うコンポーネントフットプリントを素早く、容易に構築できるだけでなく、そのコンポーネントの正確な 3D STEP モデルも作成できます。Altium Designer 16 では、基板の 3D レンダリングを PDF ファイルに含めることもでき、無料の Acrobat Reader を使用して、容易に基板を回転したり、方向を変えることができます。

IPC ウィザードで 3D STEP モデルを生成

Altium Designer 16 では、IPC® Compliant Footprint Wizard を使用している時、3D STEP モデルを生成できます。フットプリントを設定、または作成している時、3D STEP モデルを作成するか選択して、生成前に、モデルをプレビュー表示できます。

PDF 3D エクスポートの改善

Altium Designer の PDF 3D エクスポーターを改善し、PDF に多くの必要な情報を含めることができ、3D 表示機能も拡張しました。新しい改善点には、事前に定義した 3D 表示、拡張した設定オプション、デザインのメタデータを埋め込む機能が含まれています。


 

マルチチャンネル製品の複数のバリエーション

同じ回路を繰り返すデザイン(例えば、2 チャンネル、または 200 チャンネル)を設計する場合があります。これに対応するマルチチャンネルデザインと呼ばれる機能は、Altium Designer の長年の強みでした。必要な回数分、繰り返す回路を参照できます。そして、基板上でそれらのチャンネルの部品を繰り返し配置したり、配線できる機能が含まれています。デザインは、フラットで構成する必要はなく、設計プロセスで自由に修正、更新できます。その他によく使用する機能は、バリアントです。これは、1 つのデザインで仕向け地別のような異なる仕様を定義できる機能です。Altium Designer 16 で、マルチチャンネルデザインのバリエーションを対応しました。

マルチチャンネルに対応したバリアント

Altium Designer のバリアント機能では、1 つのベースデザインを作成してから、仕向け地別のような異なる仕様を定義できます。

Altium Designer 16 では、マルチチャンネルデザインのバリアントを定義できます。このバリアント機能では、複数のチャンネルに関するコンポーネントのバリエーション(実装/実装しない、特定のパラメータのバリエーション、代替部品の選択)を設定できます。また、特定のチャンネル内でのバリエーションも対応しています。


 

改善した出力生成

デザインは、より小さく複雑になり、製造、実装プロセスでより高度な要件が求められています。これに対応するために、新しい出力基準を開発し、また既存の出力基準を改善しています。最近の Altium Designer では、IPC-2581 や Gerber X2 のような新しい出力基準を導入しました。Altium Designer 16 では、その出力生成機能を改善し(穴の許容差(+ と – )、選択した代替部品を BOM に反映、容易に面付けファイルを作成等)、より正確、柔軟に出力できます。

穴へ許容差を追加

穴許容差を設定することにより、PCB 製造プロセスをよりスムースに行えます。穴許容差は、パッドやビア ダイアログで設定できます。また、穴をドリルテーブルで表示した時、穴許容差は ”分類” 属性として使用できます。

代替部品を BOM へ反映

Altium Designer 16 では、BOM に代替部品を反映できます。ActiveBOM ランク機能を使用して、目的の代替メーカー/サプライヤーを指定し、代替、機能的に同等のコンポーネントを選択できます。また、BOM アイテムをグループへ分けたり、代替をグループへ割り当てできます。

面付け - エンベデッド ボードアレイの改善

エンベデッド ボードアレイ オプションを最適化し、子と親デザインのレイヤ構成が一致しているか確認できます。また、基板端から端までの間隔を設定できます。

PCB 印刷出力の改善

Altium Designer 16 では、PCB 印刷出力オプションを合理化し、より直感的になりました。PCB Printout Properties ダイアログで、幅広いオプションを利用できます。また、デフォルト設定を使用して実装図を生成する時、反対側のレイヤにあるコンポーネントのマルチレイヤのプリミティブは含まれます。これにより、印刷出力時にマルチレイヤのパッドを含めることができます。

ODB++ 出力を TGZ フォーマットで圧縮

ODB++ フォーマットで基板製造データを生成する時、Altium Designer では、そのデータの TGZ アーカイブファイルが作成されます。TGZ ファイルは、TAR アーカイブファイルを圧縮した GZIP です。TGZ ファイルは、ほとんどの CAM ソフトウェアのオプション(例えば、Frontline Genesis)で活用されており、製造プロセスをより容易にすることができます。

PADS Logic エクスポーターの拡張機能

Altium Designer では、PADS Logic 5.0 でプロジェクトをエクスポートする拡張機能を追加しました。PADS Logic エクスポーターの拡張機能により、テキストファイルフォーマットを使用して、PADS Logic 5.0 と互換性のあるデータを出力できます。


 

より良い設計領域

効率的な設計フローを活用することがどんなに重要かは、長時間 Altium Designer を使う設計者以外の人はよくわかっていません。Altium Designer 16 の改善により、様々な機能が使い易くなっています。回路図のネットへ色を反映することで、デザインをより確認し易くなります。これは、デザインの全てのシートのネットへ適用されます。SPICE シミュレーションでは、シミュレーションプローブを追加して、より容易に実行できるようになりました。Altium Designer では、オンラインサービス(例えば、オンラインライセンス認証、サプライヤー コンポーネントデータ)を利用できます。Altium Designer 16 では、様々なネットワークに関連する設定が容易になりました。Altium Designer で、より良い設計領域を構築するためのその他の改善点についてご覧ください。

ネット色の同期

Altium Designer では、ネットをハイライトする(ネットに色を反映する)機能を追加し、回路図と PCB デザインを容易に確認できます。複数のネットをハイライトして、異なる色で異なるネットを識別したり、回路図から PCB へそのハイライトを反映できます。このハイライト機能は、回路図全体のネットへ色を割り当てます。

このハイライト色は、回路図から PCB へ移行する時、ECO プロセスに含まれます。回路図をコンパイルして ECO を生成する時、色を割り当てたネットがレポートに表示されます。そして、変更を適用すると、PCB へ色が反映されます。

オフラインで作業するためのコントロール

Altium Designer では、Altium クラウド、Altium Vault、サプライヤー、更新の検索等へ接続するために、インターネットやサードパーティサーバを使用します。ある状況、または環境において、オフラインで作業する必要があるかもしれません。

このバージョンで、ネットワーク接続をコントロールする機能を追加しました。全て、または一部のネットワーク接続を無効にできます。

シミュレーション プローブ

回路デザインをより確認し易くするために、Altium Designer 16 では、シミュレーション プローブを追加しました。プローブを配置して、電圧、電力、電流を確認できます。

製品改善プログラム

新しい製品改善プログラムを導入しました。これにより、ソフトウェアを使用している時にデータを収集して Altium Designer を改善できます。Altium Designer を要件に合うようにするため、収集したデータは分析されます。

Excel と互換性があるコンストレイントファイルの表オプション

FPGA コンストレイントファイルは、表フォーマット(Excel スプレッドシートと互換性があり、ピン割り当てを容易に確認、管理できます)で保存できます。


 

その他の改善

Altium Designer の更新には、設計全体を改善するための機能が含まれています。

これらの改善には、以下が含まれています:

  • 回路図の ECO プロセスの時間は、大幅に減少しました。
  • スタックビアやパッドオンビアは、1 つの実体として移動できます。
  • 複数の PCB スペシャルストリングは、1 つのストリング内で定義できます。

 

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