ActiveRoute
ボードデザインで最も時間がかかる段階は、ネットの配線です。ルールシステムが、デザインの制約(例えば、線幅、ビアサイズ、クリアランス等)を扱う一方、設計者が、基板を配線するために必要な何千ものトラックセグメントを配置します。
オートルーターは、この苦労を軽減できますが、以下の理由により通常、不十分です:
- 設計者が配線するように、直感的に適用する無数の微妙なデザイン制約を正しく決められません。
- インタラクティブに基板を配線するために、より効率的になるよう構成するには時間がかかります。
- クリーンアップは、インタラクティブに基板を配線するために、より効率的な長く、難しいプロセスになります。
PCB 配線の理想は、高品質の結果(設計者のコントロール下で、デザインルールを満たす)を素早く作成することです。これは、ActiveRoute により解決できます。
ActiveRoute とは、何ですか?
ActiveRoute は、効率的な複数ネットの配線アルゴリズムを提供する自動化されたインタラクティブ配線テクノロジーです(特定のネット、または設計者がセレクトしたコネクションに適用されます)。また、配線経路、ガイド(新しい配線が流れる川を定義します)をインタラクティブに定義できます。
インタラクティブ配線とオートルートの組み合わせより、優れた ActiveRoute 機能は、以下の通りです:
- ピン/ビア配列のエスケープ配線(手動配線で多くの時間がかかります)の自動最適化。
- 高性能(信号ネットを 1 秒以下で配線)。
- デザインルール(線幅、クリアランス、レイヤ、ネット・ネットクラスによるトポロジーとルーム、優先度)に従います。
- 複数のレイヤで同時に配線。
- 設計者が、配線箇所を直接、指定できる配線ガイド。
- ビアが必要無く、完成率が高い River Route 機能を使用。
- ポリゴンから配線し、それらを再構築できます(再構築オプションが有効な場合)。
- 1 つのネットと差動ペアネットの双方を対応します。
- コーナー数を減らすglossing 機能で完了し、配線全体を改善します。
- ネットクラスを作成します。ActiveRoute は、ネットをセレクトする必要があります。ActiveRoute を行うネットが多数ある時、ネットクラスがあると、セレクションプロセスで役立ちます。
- 既存のポリゴンを一時無効にします。
- デザインルールとネットトポロジーを設定します:
- クリアランス – ActiveRoute は、clearance デザインルールに従い、優先順に適用します。
- 配線幅 – width ルールの Preferred 設定を使用します。インタラクティブ配線と同様に、領域内で幅を変更するには(例えば、BGA 下で配線する時)、Room を定義して、より狭い Preferred width の width デザインルールを適用します。preferred width を使用して、手動で配線できない場合、ActiveRoute も反映できません。
- 差動ペア – ActiveRoute は、差動ペアを配線できます。差動ペアが、正しく定義されているのと(PCB パネルの Differential Pairs Editor モードでチェック)、Differential Pair routing ルールが正しく設定されている(Preferred 値が使用されます)ことを確認してください。
- Pad Entry – 現在の ActiveRoute は、width や clearance ルールに従って、鋭角を作成しないでパッドへの入力/パッドからの出力経路を配線します。今のところ、SMT to Corner、または SMT Pad Entry ルールには従いません。これには、差動ペアパッドに関する特定のアルゴリズムが含まれており、ペアが整然となるよう維持されます。
- ネットトポロジー – ActiveRoute は、コネクションラインのパターンをたどります。特定のトポロジーが必要なネットがある場合(例えば、DDR3/4 fly-by)、xSignal を使用して、from-to 順を定義できます。xSignal Wizard (Design » xSignals » Run xSignals Wizard) から、DDR3/4 や USB 3.0 -タイプ信号方式を含むデザインの xSignal を作成できます。
- デザインをファンアウトします。ActiveRoute は、ビアを配置しません。そのため、SMT ピンを使用する BGA、コネクタ、ディスクリート コンポーネントのファンアウトは、必須です(外側の層で配線するピン以外)。
- 電源と GND を配線します。ActiveRoute は、信号ネット用なので、パワープレーンに割り当てたネットや、20 ピン以上含まれているネット(これらは、パワーネットになると仮定します)を無視します。以前に作成したデザインで ActiveRoute を使用したい場合、電源、GND 配線は残し、信号配線のみ削除してファンアウトします。
- PCB ActiveRoute パネルで、必要な配線レイヤを有効にします。
ActiveRoute では、インタラクティブ配線の新しい方法を採用し、現在、開発中です。現在、以下の動作を対応していません:
- アーク – ActiveRoute は、アークで配線しません。
- マイクロビア - ActiveRoute は、内層に接続するためにファンアウトビアが必要です。今のところ、BGA でマイクロビアを使用するには、ActiveRoute を実行する前に、信号層へ接続するマイクロビアへ手動でファンアウトする必要があります。
- Length Matching – 現在、ActiveRoute は、自動で配線長を調整しません。これは、以降のバージョンで対応できるよう検討しています。配線長は、ActiveRoute を実行後、手動で調整できます。
ActiveRoute の実行
- 配線するコネクションをセレクトします。
- PCB ActiveRoute パネルで、セレクトしたコネクションを配線するレイヤを選択します。これは、ActiveRoute で利用できるレイヤで、各レイヤでどのネットを配線するか決めます。
- 必要な場合、配線ガイド 機能を使用し、配線経路を定義します。ActiveRoute は、ガイドを経路として扱います。ガイド内に収まらないコネクションは、未配線のままになります。
- 以下の方法で ActiveRoute を実行します:
- Route » ActiveRoute コマンドを選択します。
- ActiveRoute ツールバーボタンをクリックします。
- PCB ActiveRoute パネルの ActiveRoute ボタンをクリックします。
- ショートカット Shift+A を使用します。
これらのステップの詳細は、以下で説明します。
PCB ActiveRoute パネル
ActiveRoute は、セレクトしたコネクション上で働きます。コネクションは、直接、セレクト、または配線オブジェクト(例えば、ピン、トラック、ビア、コンポーネント)を選択してセレクトできます。
ほとんどのネットは、2 ピンのネットです。この場合、コネクションのセレクトは、ネットのセレクトと同じです。2 ピン以上のネットでは、複数のコネクションがあります。1 つ、複数、全てのコネクションを配線できます。
コネクションをセレクトする手法
- 領域のセレクト(ドラッグして四角形で囲う)は、Alt キーを押して、コネクションのみセレクトできます。
- 左から右へ Alt+領域セレクト で、四角形内に含まれるコネクションをセレクトします。
- 右から左へ Alt+領域セレクト で、四角形に接触するコネクションをセレクトします。
- Shift キーを追加して、既存のセレクションへ追加します。
- コネクション上で直接、Alt+クリック し、セレクトします。
- Alt+Shift+クリック で現在のセレクションに追加します。
- コネクションをセレクトしてから Tab を押すと、そのネットの全てのコネクションにセレクトが拡張されます(1 つのネット、または異なるネットのセレクトした複数のコネクションへ適用)。
- ActiveRoute は、セレクトしたコネクションのみ配線します。複数のコネクションをセレクトする場合、全てのコネクションをセレクトするセレクト方法を使用します。
配線レイヤの設定
- PCB ActiveRoute パネルで、配線に使用するレイヤを選択できます。ActiveRoute は、有効にしたレイヤ上で、セレクトしたコネクションを配線します。
- レイヤを選択していない場合、アクティブレイヤ(PCB エディタウィンドウの下部で選択したレイヤタブ)に配線します。
配線ガイドを使用
配線する経路を指定するために、配線ガイドを定義できます。ガイドは、配線を含めるパイプとして考えます。配線ガイドは、直接、配線の場所を決めて、そのガイド領域に配線をどのように収めるか指令できます。
配線ガイドの配置
ガイドを配置するには、以下を行います:
- ガイド経路に沿って配線するコネクションをセレクトします。
- PCB ActiveRoute パネルで、Route Guide ボタンをクリックします。
- カーソルが、セレクトしたコネクションをつかんだ状態で表示されます(ガイドに沿ってコネクションを配線する必要があることを示す)。開始位置へカーソルを移動します。
- クリックして、ガイドの開始位置を定義します(ガイドの端を曲げてコネクションを配線できます)。
- ガイドは、幅広いトラックで配置されます。ガイドの最初のコーナーへカーソルを移動しクリックします。
- このプロセスを続けて、経路を定義します。コネクションラインの終端から離れた位置で止めます。
- ガイドを広げるには、↑ キーを押します。ガイドを狭くするには、↓ キーを押します。
- 最後に確定したガイドを解除するには、Backspace を押します。
- 右クリックし、ガイド配置モードを終了します。
デフォルトの幅は、セレクトしたコネクションの適用できる幅+clearance デザインルールの合計をレイヤ数で割った値に、1.3 を掛けたものです。
RouteGuideWidth = ((W+C)/#Layers)*1.3)
- ガイドは、1.3 のデフォルト値で拡張されます(確実に配線し、経路の途中で、ビアのような障害を覆うことができるように)。その幅は、配線するのに難しい場合があります。配線が合わない場合、配置されません。
- ガイドを配置中、その幅は、キーボードの 上 / 下 矢印キーを押して、広く/狭くできます。最小サイズは、1.0 の乗数を、最大サイズは、2.0 の乗数を使用します。
ガイドの編集
配線ガイドは、メカニカルレイヤに配置したトラックの集まりです。
- トラックセグメントは、デフォルトでロックされています。それらのロックを解除した場合、標準のトラックをドラッグする手法を使用して、ガイドを再作成できます。
- ガイドを削除するには、セグメントをクリックしセレクトしてから、Delete キーを押します。
注記
- ステータスバーには、ActiveRoute の進捗状況が表示されます。
- Messages パネルには、完了率がレポートされます。
- 配線ガイドを使用して、完了率が低いと分かった場合、その経路に多くの障害があるかもしれません。ガイドをより広くする必要があります。
- ActiveRoute を完了した時、自動で glossing (Route » Gloss Selected) が適用されます。ActiveRoute だけでなく、Gloss コマンドを使用して、トラックをなめらかにして、パッドへの配線接続を改善できます。特に、差動ペアのパッドへの配線接続が高品質になるように、考慮されています。配線ガイドを使用した後、glossing は、配線長全体を短くしようとするので(ガイドで定義した経路をたどらない配線経路になる)、glossing は適用されないことに注意してください。
- ActiveRoute does not route with arcs or any-angle tracks.
- If ActiveRoute does not work, it is usually because the rules are not properly configured. Check that the the rules are appropriate, for example the default rules that exist in a new PCB file might be too large for high density BGA-type designs.
- ActiveRoute observes the routing rules configured for widths, clearances, diff pair gaps, by layer, by room, and by class.