Item と Item Revision

設計プロジェクトから作成され企業が販売する物(オブジェクト)は、ソースデザインファイルから生成された特定のデータから製造されます。製造に使用したデータは、そのオブジェクトを構築するために使用した 指示 として考えることができます。このデータには、ブランクボードや実装ボードを作成するために必要な製造ファイル(ガーバー、NC ドリルファイル等)や実装ファイル(BOM、Pick and Place 等)が含まれます。しかし、製造チームが正しいブランクボードを作成することと、正しい実装ボードを作成するために必要な別々の指示を保証できるように、この指示をどのように確認しますか? その答えは Item です。 

Item と Revision とは何ですか?

Item は 構築 する特定のオブジェクトを表し、Item 識別子(ID)によって独自に識別されます。設計プロジェクトは複数の bare、または実装ボードのソースになります。構築される各物理的なオブジェクトは、異なる Item(固有の Item ID)としてシステムで表現されます。 

誤りを見つけたり、部品が廃品になりデザインを変更する必要があるかもしれません。設計側では、一般的にバージョンコントロール システムを使用してソースデザインへの変更がそのデザインの個別のバージョンとして保存されます。一度、変更が完了すると、製造するための新しい指示を生成、またはリリースする必要があります。そのため、同じデザインの異なるリリースと、生成された異なるデータ間をどのように識別しますか? その答えは、レビジョン識別子(ID)です。これは、Item の各リリースの固有の識別子を作成する Item ID との組み合わせで Item-Revision となります。 

Item-Revision は、どの Item のレビジョンを構築するか識別します。少なくとも常に 1 つの Item(最初のリリース)のレビジョンがありますが、デザインがリリースされる数に依存して多くなります。これを行う重要な点は、変更があり新しい Item-Revision を作成する必要がある場合、一度、特定の Item-Revision へリリースするだけであると言うことです。これは、同じレビジョンへ再リリースすることでレビジョンを製造するためのデータを上書きできないように、高い信頼性を保証します。再度、リリースするには新しい Item-Revision を使用する必要があります。  

Item とそのレビジョンの概念を理解する最も簡単な方法は、特定の Item の特定のレビジョンを構築するために必要なデータ(指示)を保存する 'box' を考えることです。Item をリリースする時、データは box に置かれ閉じられます。Item ID と Item-Revision ID はその box の横のラベルになります。これにより、その box の内容を何のために使用するか確認できます。もし、デザインを更新、再リリースする必要がある場合、Revision ID が増え新しい box を作成します。 

Item ID と Item-Revision ID のラベルがある Item-Revision 'Box'。その内容は Item のレビジョンを構築するために必要なデータです。
リリースすることで box を閉じ、New From Design へ Lifecycle 状態を設定します。

生成されたリリースデータについて明確にするため、各出力ファイルには Item ID と Revision ID を含むプリフィックスが付けられます(フォーマット [Item ID-Revision ID] で例えば [D-820-1001-01.A.1])。

今までの Item についての説明は、ブランクや実装ボードの製造、リリースを管理するために使用する方法でした。しかし、Item はエレクトロニクス製品開発設計プロセス中に作成、使用する必要があるデザインの要素を識別するためにも使用します。これは、会社の再利用できるデザイン内容(テンプレートやシート)と同様に、ボードへ実装するコンポーネントを含みます。また、Item のこれらのタイプは、作成、リリース、その内容の使用法を管理するために Item-Revision の概念を使用します。 

Items と Revisions の概念は、エレクトロニクス製品のデザイン
や製造で使用した content を管理するために使用します。

Item-Revision のライフサイクル

Main article: Item ライフサイクル管理

Item-Revision のその他の重要な点はその Lifecycle 状態です。これは、レビジョンがその製造 life でどの段階に到達したか、権限が与えられるものは何か製造チームが素早く評価するために使用できるその他の識別子です。Revision は Item に行った設計変更を表し、Lifecycle state企画新規設計製造製造中止 等のような業務上の Item の状態を表します。 

最初に、Item-Revision は 企画(デザイン リリースプロセスから生成されたデータを受け取る(保存する)準備ができている)の状態です。一度、リリースプロセスが完了するとそのレビジョンは終了します(デザインを再度、同じレビジョンへリリースできません)。そして、Lifecycle 状態は 新規設計 に設定されます。この Item-Revision のためのデータは修正 できません が、Item-Revision が 設計-製造-発送-販売-廃品 のどこか反映するために Lifecycle 状態を変更 できます。 

Altium Designer では異なるタイプのライフサイクル管理(状態と状態遷移を含む基本的な管理から、状態と状態遷移の段階と Revision ID をリンクさせ、個別の段階へまとめる構造化された管理まで)を利用できます。これらの異なるライフサイクル管理に基づいて、標準のライフサイクルは定義されます。そこから、Item-Revision が次第に変遷する状態遷移を作成できます。また、'承認' の状態や移行を含む定義もあり、そこでユーザ定義の特定の権限がライフサイクル状態に必要となります。 

デフォルトでは、前の図のように Item-Revision をリリース後、自動で 企画 の状態から 新規設計 へ変更されます。 

Item-Revision のライフサイクルは、会社の方針に従って手動で管理されます。設計が完了すると、ライフサイクル状態は_試作_ の状態になります。そして、試作がうまく行くと 製造 の状態へ進みます。より良い機能性を導入するために、後で同じ Item のその他のレビジョン(他のボックス!)が必要かもしれません。2 番目の Item-Revision が試作を通して製造へ進むと、前の Item-Revision のライフサイクルは不要になります。そのポイントは、'Item-Revision ボックス' の内容を使用できる、または使用している方法をライフサイクル情報が示すと言うことです。 

Item-Revision の 'life' を示す例です。レビジョンは試作から製造段階へ行く
権利が与えられますが、その後、非難され製造中止となります。

Item の作成

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Item は Altium Vault で作成されます。その Item を製造するために必要なデータの全ては、Item 数に対してその vault 内に保存されます。

Item は Altium Vault で作成されます。

Altium Vault は3つの異なるタイプのデータを保存するために設計されています:

  • Components – domain モデル(回路図シンボル、フットプリント等)と それらのモデルを使用する vault コンポーネント。 
  • Managed Design Content – 管理された回路図(デバイスシートと呼ばれた)とテンプレートを含みます。
  • Released Designs – 設計から製造へ移行する準備ができている完成したデザイン。これは、bare ボードや実装ボードを含みます。 

Item 自体は、直接、vault 内で作成されます。Item は手動で作成(管理された content タイプのItem やボード用)、またはコンポーネントや domain モデルのリリースプロセスの一部として自動で作成できます。Vault 管理や Item 作成は Vaults panel 経由でなされます。Item はフォルダのツリー構造(ファイルをまとめるために PC で使用したフォルダのツリーのような)のように vault でまとめられます。vault へフォルダを追加するには、Vaults パネルの Vault Folders の項目で右クリックします。  

必要なフォルダを定義したら、vault で Item を作成できます。Item を作成するには、適切なフォルダを選択しパネルの Item の項目で右クリックします。それから、フローティングメニューから Create Item を選択します。追加している Item のタイプに依存して、サブメニューに別のオプションがあります。適切なメニューを選択します。 

新しい Item を作成するには、右クリックしてから適切な Item タイプを選択します。

Create Item ダイアログが表示され、Item を定義するためにコントロールできます。 

Create Item ダイアログで新しい Item の詳細を指定。

以下は、Item を定義するための項目です:

  • Item ID – この Item のための固有の ID。ID 自体は、一般的に確立された割り付け方法に従ったコードです。例えば、D-810-XXXX は製造された Blank Board Item を反映するために Altium で使用されます。一方、D-820-XXXX は Assembled Board Item を反映します。Item をリリース後、Item ID は変更できません。 
  • Content Type – これは Item の タイプ です(隣の項目を確認してください)。
  • Revision Naming Scheme – この項目は、Revision IDs を割り当てている時、使用した方針を決めます。現在、vault 用に定義した方針から選択するためにドロップダウンを使用します。方針は、項目の右下にある ボタンをクリックして表示される Edit Revision Naming Schemes ダイアログで定義します。方針を Item レベルで選択する時、別の Item に適用した別の方針を利用するのは自由です。選択した Revision Naming Scheme は、Item がリリースされた後は変更できません。
  • Revision ID – 選択したレビジョン naming scheme に従った Item のレビジョン。この項目は読み取り専用です。
  • Lifecycle Definition – この項目は、次第に変更するかもしれない Item-Revision の状態遷移を作成するためにどのライフサイクル定義を使用するか決めます。vault 用に定義した定義から選択するためにドロップダウンを使用します。定義は、項目の右下にある ボタンをクリックして表示される Edit Lifecycle Definitions ダイアログで定義します。ライフサイクル定義を Item レベルで選択する時、別の Item へ適用した別の定義を利用するのは自由です。選択したライフサイクル定義は、Item をリリースした後は変更できません。 
  • Revision State – Revision ID の項目で指定した Item のレビジョンの状態。この項目は読み取り専用で、新たに作成された Item は常に Planned に設定されます。
  • Comment – この Item を考慮するコメントを入力するためにこの項目を使用します。
  • Description – この Item で表されるものの内容説明を入力するためにこの項目を使用します。
  • Folder – この Item を保存する vault フォルダ。 
  • Ancestor Revision – 先行しているレビジョン。そこからこの Item を作成/分岐します。 

Item タイプ

別の Item は、別のタイプのデータを保存、表すために使用します。ある Item は回路図シンボル、PCB コンポーネントモデルを表すことができ、その他はソースデザインのスナップショットと共にリリースしたボードデザイン設定から生成されたデータを含めることができます。content のタイプを示すには、Item(または、そのレビジョン) を使用します。その Item を作成、編集している時、その Content Type 属性を指定する必要があります。その他の方法としては Item Type を指定します。

以下の表は、サポートしている別の Item タイプの概要です。 

Content タイプ

コード

内容説明

Content Generated By...

altium-component

CMP

コンポーネント

コンポーネント定義 (*.CmpLib ファイル内の) をリリースして

altium-embedded-design

EMB

Embedded Software デザインプロジェクト

ソース Embedded Software デザインプロジェクト (*.PrjEmb ファイル、全てのドキュメントやフォルダをリリースして

altium-fpga-design

FPG

FPGA デザインプロジェクト

ソース FPGA デザインプロジェクト (*.PrjFpg ファイル、全てのドキュメントやフォルダをリリースして

altium-openbus

OPB

OpenBus ドキュメント

OpenBus System ドキュメント (*.OpenBus) をリリースして

altium-part-choice-list

PCL

Part Choice リスト

Part Choices をComponent Item へ追加して

altium-pcb3d-model

P3D

PCB 3D モデル

PCB 3D Model Library (*.PCB3DLib) で定義した PCB 3D Model をリリースして

altium-pcb-assembly

PAS

構造化された BOM と PCB 実装データ

PCB デザインプロジェクトの Assembled Board 設定をリリースして

altium-pcb-blank

PBL

ブランク PCB 製造データ

PCB デザインプロジェクトの Blank Board 設定をリリースして

altium-pcb-component

PCC

PCB コンポーネントモデル

PCB Library ファイル (*.PcbLib) で定義した PCB 2D/3D コンポーネントモデルをリリースして

altium-pcb-design

PDE

PCB デザインプロジェクト

ソース PCB デザインプロジェクト (*.PrjPcb ファイル、全てのドキュメントやフォルダ) をリリースして

altium-pcb-document

PDO

PCB デザインファイル

PCB デザインドキュメント (*.PcbDoc) をリリースして

altium-schematic-sheet

SCH

回路図シート

回路図シート、またはシートの 'ツリー' (*.SchDoc*.Harness ファイル) をリリースして

altium-si-model

SIG

シグナルインテグリティモデル

Signal Integrity Model ファイル (*.SiModel) で定義したシグナルインテグリティモデルをリリースして

altium-simulation-model

SIM

シミュレーションモデル

Simulation Model ファイル (*.SimModel) で定義したシミュレーションモデルをリリースして

altium-symbol

SYM

回路図シンボル

Schematic Library ファイル (*.SchLib) で定義した回路図シンボルをリリースして

morfik-package

MKP

XApp デザインパッケージ

 

morfik-web-item

WIT

Web Content Item

 

morfik-web-resource

MWR

Web リソースファイル

 

morfik-xapp-design

MXD

XApp デザインプロジェクト

 

morfik-xapp-image

MXA

XApp 配置データ

 

Item-Revision Naming Schemes

Main article: Item Revision Naming Schemes

Altium Designer では事前に定義した Revision Naming Schemes を利用できます。また、ユーザ定義の Naming Schemes もサポートします。Revision Naming Scheme は vault レベルで指定されます。それから、Item が作成される時(必要な場合、ローカルに Item を上書きできます)、自動で適用されます。vault の Naming Scheme を指定するには、Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページを開き vault を選択して Properties ボタンをクリックします。それから、ドロップダウンメニューから Edit Revision Naming Schemes を選択します。Edit Revision Naming Schemes ダイアログが表示されます。  

Edit Revision Naming Schemes ダイアログで作成したカスタム Revision Naming Scheme。

4つのデフォルトの naming scheme を利用できます:

  • 1-Level Revision Scheme – この方針では、Revision ID は1つのレベルのみ(例えば、1)から成ります。
  • 2-Level Revision Scheme – この方針では、Revision ID は2つの異なるレベル(例えば、A.1)から成ります。
  • 3-Level Revision Scheme – この方針では、Revision ID は3つの異なるレベル(例えば、01.A.1)から成ります。
  • Component Revision Scheme – この方針では、Revision ID は2つの異なるレベル(例えば、A.1)から成ります。

Item を作成している時、適用された revision naming scheme は個別の Item レベルで選択されます。そのため、別の Item は別の naming schemes を持つことができます。

定義した Revision Naming Scheme を vault の Item で使用した場合、その方針は編集、削除できません。逆に言うと、Item を作成しその Item の企画段階のレビジョンへ最初のリリースを作成すると、その Item は、変更された Revision Naming Scheme を使用できません。

Item-Revision ライフサイクル定義

Main article: Item ライフサイクル管理

Revision Naming Scheme のようなライフサイクル定義は vault レベルで適用されます。これは、必要な場合、Item を作成する時、上書きできます。vault 用に使用されているライフサイクル定義を編集するには、Preferences ダイアログの Data Management - Vaults ページを開きます。そして、vault を選択し Properties ボタンをクリックします。ドロップダウンメニューから Edit Lifecycle Definitions を選択します。Edit Lifecycle Definitions ダイアログが開きます。

Edit Lifecycle Definitions ダイアログで新しいライフサイクル定義を調査、作成。

6つのデフォルトのライフサイクル定義を利用できます:

  • Basic Lifecycle
  • Component Lifecycle
  • Simple Lifecycle
  • Simple Lifecycle With Approvals
  • Structured Lifecycle
  • Structured Lifecycle With Approvals.

定義されたライフサイクル定義が vault 内の Item で使用されると、その定義は編集、削除できません。逆に言えば、Item を作成し、その Item の企画段階のレビジョンへ初期リリースが作成されると、その Item は変更されたライフサイクル定義を持てません。

レビジョンとライフサイクル状態の確認と管理 

Main article: Item のレビジョンとライフサイクル状態の管理 - Item 画面

Item のレビジョンとライフサイクル履歴の詳細な画面を表示するには、Vaults パネルの Item を右クリックしメニューから Full Item Details を選択します。下図のような Item 画面が表示されます。 

Item 画面には、レビジョンとライフサイクル状態の変更のリリース予定に関する詳細な履歴が表示されます。

Item 画面に表示される詳細は、確認している Item のタイプに依存します。例えば、実装ボードItem では、リリースしたドキュメントのリストがその画面に表示されます。リリースを生成するために使用した設計プロジェクトのスナップショットや、生成された Bill of Materials (BOM) は物理的な製造ボードへ使用されます。 

Item 画面には、各主要なレビジョンの欄が表示されます。各欄には、レビジョンを変更するライフサイクル状態が表示されます。以下を実行するにはライフサイクル状態のセルを右クリックします:

  • その Item 用に選択した Revision Naming Scheme に従って、新しい企画レビジョンの Item を作成。 
  • その Item 用に選択したライフサイクル定義に従って、特定のレビジョンの Item のためのライフサイクル状態を管理。
  • レビジョン属性を確認。
  • 各レビジョンの Item に関連したドキュメントを復旧。
  • リリースデータを指定した配布場所(ブランクボードや実装ボード Item のみ)へ直接、配布。

その画面には、実装ボード Item の BOM を含む、選択したレビジョンの Item のための詳細な情報が表示されます。

BOM の詳細は、リリースしたプロセスの一部として自動で生成される System BOM からの情報です。

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